台湾のアパレル大手、如興股份有限公司(Roo Hsing CO., Ltd.) はこのほど、中国大陸の玖地集団(JD United Holdings Ltd.)の買収手続きを完了させた。同社は8月1日より、決算・財務報告に玖地集団の売上高を加えることになる。
如興公司は2015年に、玖地集団を3.88億米ドルで買収し、100%子会社にすることを発表していた。台湾に本社を置き、グローバルなマーケティングを行う多国籍企業への転身を図ることで、台湾企業及び台湾の投資者にとって「ウィン・ウィン」となる新たな一里塚を築きたいとしている。
現在、玖地集団はミャンマー、東アフリカのタンザニア、中国大陸などに、如興公司はカンボジア、ニカラグアなどに生産拠点を持つ。今後はサプライ・チェーンの統合を進め、資源分布の均等化を図ることで、無駄を省き、コスト削減を目指す方針だ。
また、現在、玖地集団の生産能力は如興公司の4倍以上に相当する。如興公司は8月1日より、生産量についても合算を開始する。このため如興公司の1カ月当たりのジーンズ生産量は700万着余り、年間では8,400万着以上になる見込み。世界各国のジーンズ・メーカーによる生産量は合計10億着以上と予想されることから、如興公司の世界シェアは7%に達する見込み。これは、世界最大のジーンズのサプライヤーとなることを意味している。台湾の総人口2,300万人で計算すると、如興公司が1年間に生産するジーンズは、台湾の住民1人当たり約4着分に相当する。
玖地集団を子会社化することで、リーバイス(Levi's)、GAP、ユニクロ、H&Mなどの大手アパレルブランドが如興公司の主要な顧客になる。川上の生地のサプライヤーについても、綿100%デニムだけにとどまらず、ポリエステルやストレッチ性の高い生地などを得意とする台湾のブランド、例えば宏遠興業(Everest Textile Co., Ltd.)、台元紡織(Tai Yuen Textile Co., Ltd.)などが、如興公司の重要なサプライヤーとなる可能性がある。これにより如興公司は、川下の商品のラインアップをさらに増やし、流行に合致した商品を提供したいとする顧客のニーズに対応していく。
如興公司は現在、例えばマタニティ向けのデニムオーバーオールのような市場では珍しい商品も、H&Mの委託を受けてすべて代理生産している。年間生産量は60万着程度で、全世界へ向けて出荷しているという。