「徳芙生医科技(DFON Biomedical Technology Inc.)」は財団法人工業技術研究院(工研院)による技術移転を受けて出来たスタートアップ企業で、従来がんに対抗する薬物を包む材料であるヒアルロン酸、MMpH+が皮膚のコラーゲンを守り、保湿としわ予防の効果を発揮することを発見した。
IEK(工業技術研究院産業情報網)が取りまとめたユーロモニター(Euromonitor=イギリスの調査会社)のデータによれば、全世界での化粧品(メーキャップ化粧品・基礎化粧品)の市場規模は2015年の時点で4,260億米ドルに達しており、2020年には5,465億米ドルを超えるとみられている。この間、1年に5.1%ずつ成長することになる。台湾の化粧品ブランドも近年、市場の拡大に伴って力をつけている。経済部(日本の経産省に相当)の統計では、台湾製化粧品の昨年の輸出額は過去最高の7億3,000万米ドルに達した。前年比では13%のプラスで、台湾の化粧品ブランドが国際的にも頭角を現しつつあることが示された。
工業技術研究院では常に、スタートアップ企業を育成する方式で同研究院による技術開発と研究の成果を産業化している他、こうした企業の経営計画立案や投資効果の評価も行っている。「徳芙生医科技」は工業技術研究院による初めての化粧品を扱うスタートアップ企業で、昨年にはフランス・パリ経済開発局(Paris&Co)によるスタートアップ企業の入居プロジェクトに招かれた他、フランス政府の支援の下、同国の大型企業グループやベンチャーキャピタルのサポート及び現地での人脈も獲得している。
フランスを拠点に活動する台湾出身のファッションモデル、金禧(Jeanine, Chin Hsi)さんはパリで友人の紹介により「徳芙生医科技」の「ESセラム(ENZYME SECRET ANTI-AGING SERUM)」を使用。使用前と、2週間から3週間使用した後とを比べると、皮膚のコラーゲンに明らかな変化が現れ、肌のハリとツヤが改善したという。このため金禧さんは、「ESセラム」がコラーゲンを保たせ、年齢の増加や日光を浴びることで起こる肌の衰えを緩和することが証明されたとして、台湾が生んだこのスキンケア製品のフランス進出に大きな期待を寄せている。
「徳芙生医科技」による最新の研究成果である第4代アンチエイジング・スキンケア製品、「Enzyme Secret(ES)AP-1超アンチエイジング・セラム」はヒトの臨床試験により、毛穴の縮小、滑らかさの向上での効果が明らかになっている。これにより、肌の引き締め、しわの改善、肌の老化現象緩和が実現されるという。「徳芙生医科技」はフランスにおける新たなスキンケア製品産業が年に1度開催する国際的なイベント、「Cosmetic 360」での展示を続けており、今後はフランスをスタート地点として世界各国へと展開していく予定。「徳芙生医科技」では「ES AP-1超アンチエイジング・セラム」を用いたフランスでの事業展開を計画、同製品は今年9月にもフランスにおける実体のある薬局での販売を開始する。その後、アジア、アメリカ大陸へと販路を拡大、代理店を通じて現地の市場に展開する。それにより台湾の化粧品開発力と化粧品産業の国際的な競争力を世界にアピールするという。
MMpH+は工業技術研究院が開発した低分子ヒアルロン酸。従来は大腸がんを対象とした薬物を包む材料として使用されていた。薬を包んだままがん細胞までたどり着き、それから中の薬物を放出することで同薬物が他の健康な組織を傷つけないようにする。MMP(マトリックス分解酵素)は真皮のコラーゲンを分解してしまうが、MMpH+はそれからコラーゲンを守り、皮膚の保湿としわ予防の効果をもたらす。「徳芙生医科技」は工業技術研究院によって2016年に設立された。