2026/04/22

Taiwan Today

経済

台湾製の豚用ワクチン、タイでも販売開始

2018/08/22
7月から販売を開始した豚萎縮性鼻炎のサブユニットワクチン。初の新南向市場での販売となる。(聯合報)

台湾で研究・開発から生産までを手がけた豚萎縮性鼻炎のサブユニットワクチンが、初の新南向市場進出を果たし、7月からタイで販売された。新南向市場とは、中華民国政府が掲げる東南アジア、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアなどの18か国と幅広い関係強化を目指す「新南向政策」の対象国市場。

 

動物用医薬品の開発も手がける薬品大手バイエルの「豚萎縮性鼻炎の遺伝子組み換え技術による特定抗原の精製及び不活化ワクチン(混合)」は、台湾中部・台中市の国立中興大学病理生物学研究所によって研究・開発された。台湾バイエルが台湾のワクチン製造所への技術移転をサポート、さらにワクチン製造所を国際水準に達するよう支援した。そのように台湾で製造された同ワクチンは台湾バイエルによって販売を開始した。

 

同ワクチンは現在 、台湾のほか韓国でも販売されている。近日販売を開始したタイは初の東南アジア国家で、今後はベトナムや日本など養豚産業の盛んなアジアの主要国家にも積極的に市場を拡大する狙いだ。同ワクチンが動物用ワクチンにおける「台湾の光(誇り)」となるよう期待が持たれる。

 

同ワクチンは、2006年に台湾で販売を開始、2008年には韓国でも販売されるようになった。台湾でのシェアは2016年に21%に、韓国でのシェアは2017年に20%に達した。これは、台湾が研究・開発、生産した豚用ワクチンの品質が国際的な水準に達していることを示すものだ。

 

豚萎縮性鼻炎は、豚にはよくみられる上気道疾患で、鼻腔の機能が低下するため他の呼吸器病にもかかりやすくなる。豚萎縮性鼻炎にかかると発育遅延を引き起こすだけでなく、肺炎を併発してそれが重症化した場合、敗血症になる可能性もあり死に至る。これは養豚生産者に大きな経済的損失をもたらし、またこの病気は飛沫を介して感染するので、養豚生産者が頭を抱える問題でもある。

 

同ワクチンを接種すれば、豚が萎縮性鼻炎に感染するのを予防し、豚の鼻腔機能を正常に保つことができる。そのため呼吸器病にかかるリスクや病後の抗生物質の使用も少なくなる。萎縮性鼻炎による発育遅延に悩むことなく、健康で発育の早い豚の生産が可能となり、飼料コスト低減にもつながる。

 

行政院農業委員会(日本の農水省に相当)が管轄する財団法人農業科技研究院(農科院)のデータによると、世界の動物用ワクチン生産額は約52億米ドル。台湾元に換算すると約1,600億元(約5,750億日本円)で、そのうち400億~500億台湾元(約1,500億~1,800億日本円)を豚用ワクチンが占める。

 

台湾では、豚萎縮性鼻炎ワクチンの需要が生産額にすると5億6,000万台湾元(約20億日本円)に達するといわれる。さらに中国大陸や東南アジア地域を含むと100億台湾元(約3,600億日本円)以上にも上り、潜在力のある市場と予測される。

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