台北市はこのほど、台湾菸酒股份有限公司(Taiwan Tobacco & Liquor Corporation, TTL 台湾タバコ酒株式会社)と協力覚書を交わし、台湾で初となる「ビール産業文化パーク」を建設することになった。早ければ2023年にオープンの予定だという。
台湾北部・台北市の建国北路と八徳路の交差点にある「台北啤酒廠(台北ビール工場)」は1919年に建てられた台湾初のビール工場。当時は日本の札幌、中国大陸の上海と共に「東アジアの三大ビール工場」の一つに数えられた。また、台湾で最も古い「生きた古跡(稼働中の文化財)」である。工場内には世界に現存するものは10個を超えないという銅製のポットスチルや、室内のオープン型発酵槽、伝統的な貯蔵タンクなどが残っており、台北市ではそのビール産業の文化は大いに動態保存の価値があると判断、このため主要建築物を市の文化財に指定している。
TTLの呉容輝董事長(会長)によると、同社は「都市計画工業区変更審議規範」に基づき、土地の40.5%を台北市に提供して「ビール公園」、広場、道路などの公共施設とする。また、入り口部分にある「貯蔵ビル」も台北市に還元し、文化とアートの施設、「FUN ART SPECE」に生まれ変わらせる。
それ以外の古跡保存エリアは「ビール博物館」をコンセプトとし、地元での新鮮なビール造りを続けることで動態保存を実現、さらに体験ツアーも受け付けることで、ビール産業の重要な文化を生産、文化、観光、教育の面から伝えていく。
TTLはまた、「ビール産業文化パーク」に20階から24階建ての本社ビルを建設することにしており、早ければ2023年に完成させて本部を移す。同社の本部は現在、中華民国総統官邸からほど近い台北市南昌路にある。建物はかつての「台湾省菸酒公売局」で、国の文化財に指定されている。
台北市によると、「ビール産業文化パーク」には将来、台北市の「起業コリドー」形成の期待が寄せられている。同じく市内にある華山文化クリエイティブパーク、並びに松山文化クリエイティブパークと結び付き、西に「ビール産業文化パーク」、東に「松山文化クリエイティブパーク」が位置することで、「コリドー」の軸が出来上がるということ。