財団法人工業技術研究院(ITRI)が7月31日、台北国際会議センター(台湾北部・台北市)で開かれた「資通訊科技日(ICT TechDay)」において、第5世代移動通信システムの技術、AI(人工知能)、自動運転車、無人航空機(ドローン)がもたらすスマート産業のビジネスチャンスなど、注目される数々の技術を展示した。
そのうち、「Wi-Fiはネット接続のみならず呼吸の探知も可能」と銘打った技術は、ヒトの呼吸リズムとその変動に関する情報をリアルタイムで感知し、クラウド及び病院に伝えることで、医療機関などがこれら情報に基づいて異常を見つけ、命を救うことが出来るというもの。
この「無線電通道資訊(CSI)非接触式呼吸偵測応用」技術では、計測設備と家庭用Wi-Fiルーターをつなげてルーター(親機)から電波を四方に放つ。発射された電波は物体や人体にぶつかると跳ね返り、計測設備はその信号を受け取る。計測設備は1分間分の信号を受け取ると、ヒトの呼吸によって変動する周期的なリズムを選び出し、その生体信号をWi-Fiルーターを通じてクラウドや病院、医師たちに転送して診断に供する。
同技術はヒトが眠る時の代表的な6つの姿勢に対応しており、呼吸を正確に感知する確率は99%に達している。この方法はすでに台湾北部・桃園市にある林口長庚記念医院(病院)の睡眠センターと協力して約3カ月間のテストを終えており、現在は枕メーカーと商談を進めているところだという。
工業技術研究院はこの技術で枕メーカーと提携していく意向。枕に取り付けられた機器で睡眠中の生体信号を受信し、モーターで枕の高さを調節することで睡眠時無呼吸症候群の患者の呼吸をより円滑にする。それにより睡眠中の事故を防ぎ、命を救う。この先進的な製品は来年にも発売される見通しだという。