2025/08/29

Taiwan Today

経済

国立清華大学、AI×ロボットアームで医療・介護を支援

2021/01/15
「清華紳士(Tsing-Hua Gentleman)」と名付けられたロボット(左)と国立清華大学動力機械工程学系(=動力機械工学科)の張禎元教授(右)。「清華紳士」はAI(人工知能)、生物力学、人間工学を結合させて開発したもので、視覚と触覚を持ち、人間の手指の繊細な動きを模倣できるロボットだ。(国立清華大学サイトより)
ロボットアームといえば一般的に、生産ラインで使われるものだ。もし介護やリハビリに応用するなら、人間の手指のような繊細な動きを持たせるというハードルを突破しなければならない。国立清華大学動力機械工程学系(=動力機械工学科)の張禎元教授が率いる超域研究チームは、AI(人工知能)、生物力学、人間工学を結合させ、視覚と触覚を持ち、人間の手指の繊細な動きを模倣できるロボットを開発した。それは、人間と同じようにボールを握り、ティッシュを取り出すことができる。同大学の賀陳弘校長(=学長)は、この100%台湾で設計・製造されたロボットを「清華紳士(Tsing-Hua Gentleman)」と名付けた。ロボット界の医療・介護のパイオニアになるよう期待を寄せている。
 
張禎元教授の説明によると、「清華紳士」の手は人類の手指の関節を模して設計したもので、空気圧の伝動によって指を曲げる動作を行う。また、米国の特許技術を使った演算チップによって手指が受ける反発力をセンサーで測定し、かつ的確な角度で測量を行う。
 
一般にロボットがボールをつかんだり、飲料のボトルを握ったりする場合、五本の指を機械的に開いたり、閉じたりして、物をつかんだり、握ったりするものだ。しかし、「清華紳士」の動作は人間に似た滑らかさがある。人間の動作をデジタル化し、それを少しずつロボットに学習させたからだ。張禎元教授によると、両手を人間のように動かせるようになれば、将来的にはロボットが赤ちゃんを抱いたり、病人や老人の背中をさすったり、体を起こしたりすることも可能になる。
 
繊細に動かせる手指だけでなく、張禎元教授のチームは「清華紳士」を死角ゼロの七軸ロボットとした。これは一般の六軸ロボットより、動きの幅がさらに広がる。人間の手では届かないような角度まで腕を折り曲げることができるのだ。「清華紳士」にはさらに、自由に動かすことのできる首や3D立体視覚システムなどを持つため、より広い範囲で周辺の物品をスキャンすることができる。つまり、「空間」の感覚を持っているのだ。しかも、AIによってものを識別することも可能だ。
 
「清華紳士」は国立清華大学の動力機械工程学系、電機工程学系(=電気工学学科)、資訊工程学系(=情報工学学科)の教授が領域を超えて協力した努力の結晶だ。張禎元教授は機電システムのインテグレーションと構造設計を担当した。ロボットの「脳」に当たる部分は資訊工程学系の金仲達教授、黄稚存副教授、朱宏国副教授、電機工程学系の呉誠文特聘講座教授、劉靖家教授が中心となって研究・開発した。「清華紳士」には、これまでに「未来科技奨(FutureTech Breakthrough Award)」や「国家新創奨(=National Innovation Award)」を受賞した研究・開発のさまざまなブレークスルーが応用されている。
 

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