頼総統は到着後、まず、同医院の財団法人行政センターの潘延健最高経営責任者(CEO)による「長庚記念医院の医療システムにおける省エネ推進状況と実績」についての説明を聞き、その後、あいさつを述べた。以下は頼総統のあいさつ要旨。
長庚記念医院は、世界最大の医療グループの一つで、普段から台湾の市民の健康を守っている。新型コロナウイルス感染症が大流行した際には、さらに大きな役割を果たし、台湾が困難をうまく乗り越えられるようサポートした。
同医院は、臨床教育と研究において革新を続け、国際病院連盟(IHF)による「優秀賞」を受賞したこともある。医療システムの進歩は、市民の健康と幸福を反映しており、IHFの優秀賞は同医院の医療システムの栄光を示すだけでなく、台湾の誇りで、台湾の人々にとっても幸せなことだ。台湾の市民と政府に代わって、王瑞慧董事長(会長)が率いる医療チームの医師や職員に対し、絶え間なく医療水準の向上に注力してきたことに謝意を表する。
国際エネルギー機関(IEA)の評価によれば、ネット・ゼロ移行に向けた最も基本的な要素は省エネだ。 2050年にネット・ゼロを実現するためには、すべての産業が省エネに取り組む必要がある。医療分野では、同医院の医療システムが最高の水準を誇り、経済部(日本の経済産業省に相当)の「節能標竿獎(省エネベンチマーク賞)」の金賞を受賞した。政府の呼びかけに応えてくれた同医院の医療チームに感謝し、台湾のすべての公立・私立医療機関がこれらの経験から学び、継続的に省エネの取り組みを進められるよう期待している。
経済部は、ESCO事業を積極的に推進しており、台湾の金融・保険業界からの資金が国家発展政策に投入されるよう望んでいる。その一つには、設備のエネルギー効率の向上や省エネシステムの確立によって、様々な産業の省エネを支援することが含まれる。
「長庚記念医院の医療システムにおける省エネ推進状況と実績」についての説明によると、同医院では、資金を投入し、毎年予算を編成して改善を図っている。それによって、空調、照明、その他の老朽化した設備の更新は、2027年までに完了する予定だ 。同医院が ESCO事業の活用を取り入れることによって、スケジュールを効果的に短縮でき、政府の省エネ政策に呼応することにおいて医療界や産業界のモデルとなるよう期待する。