フォルモサット8号初号機の出発式は7日、新竹市にある国家宇宙センター(TASA)で行われた。出発式に出席した頼清徳総統は、衛星の主要部品の国産率が84%に達したことに触れ、「これは台湾が航空宇宙分野の技術開発にかける強い決意を示すと同時に、国際航空宇宙市場に参入するための重要な切符を手に入れたことを意味する。今後は『Made in Taiwan』(台湾製)の航空宇宙産業サプライチェーンの構築を段階的に進めていきたい」と述べた。頼総統はまた、『天空からの招待状(原題:看見台湾)』で知られるドキュメンタリー映画の監督で、台湾を上空から撮影することでその美しさを伝えた齊柏林(チー・ボーリン)さん(1964-2017年)に敬意を表して、この初号機を「齊柏林衛星」と命名することを発表した。事故で亡くなった齊柏林監督の遺志を宇宙へ持ち込み、引き続き台湾を守ってくれるよう願いを込めた。
フォルモサット8号は、8機の高解像度光学衛星によってコンステレーションを構築する。このため初号機「FS-8A」を皮切りに、来年以降、毎年新たな衛星を打ち上げ、2031年までに衛星コンステレーションの構築完了を目指す。国土計画、農業モニタリング、災害対応、環境保護など多分野で広く活用さ、国民生活の福祉向上だけでなく、国家全体のレジリエンス(強靭性)を高め、気候変動や地政学的リスクによってもたらされる課題に積極的に対応していきたい考えだ。