欧州連合(EU)は2019年に極めて厳格な植物防疫規定を導入した。農業部はそれ以来、長年にわたりデータ整備を進め、EU側との協議を積極的に行い、台湾の農産品の輸出への突破口を模索してきた。その結果、2025年6月には台湾産グアバおよびマンゴーのEU加盟国全体への輸入が承認され、2026年2月にはライチとドラゴンフルーツがこれに加わった。今年、夏のフルーツであるマンゴー、ドライフルーツ、ライチは豊作となっており、早速、輸出業者の積極的な働きかけにより欧州市場からの受注を受け、初出荷が実現した。
輸出を担う自然屋(Natural House)グループの翁愷莉執行董事によると、今回出荷される台湾産フルーツは、パリの南郊外にある世界最大級の食品卸売市場「ランジス市場」へ向かう。この卸売市場には1,200以上の業者が入居しており、ミシュランの星付きレストランやホテル、大手小売業者が高級青果を選定しにやってくる。台湾産フルーツが同市場に進出したことは、欧州の中核を占める流通システムに参入することを意味する。
建賢果菜運銷合作社(屏東県の農家を中心とした協同組合)の陳明賢理事長は、これまで日本、韓国、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどへの輸出で評価を得てきたが、新たに欧州市場が加わることで農家にとっては収入の機会が広がると述べ、政府の支援に感謝した。
農業部の陳駿季部長は、フルーツ類の輸出は容易ではなく、まず輸入国と検疫条件を協議しなければならないが、とりわけ欧州諸国は防疫・検疫および品質基準が極めて厳格であり、果樹園の管理、病害虫防除、農薬使用規範から収穫後のコールドチェーン輸送に至るまで、すべての工程で高度な技術を要求されると説明した。そのため農業部は近年、農産品のコールドチェーン物流体系の構築を推進し、収穫後の予冷、標準化包装、検疫処理、コールドチェーン輸送まで一貫した輸出体制を整備してきた。今回の3品目(マンゴー、ドラゴンフルーツ、ライチ)の対欧州初輸出は、生産者たちの高い栽培技術と品質へのこだわりに加え、台湾のコールドチェーン技術と防疫能力が長距離輸送の制約を克服したことを証明するもので、台湾の農業が「地域型」から「国際高付加価値型」へと転換したことを示している。
屏東県の周春米県長(県知事)は、屏東産のフルーツの品質の高さを強調し、今回の対欧州輸出は農業部の支援のもとで実現したものであり、農家にとって販路拡大につながる重要な成果であると述べるとともに、県としても引き続き世界市場へのプロモーションを進めていきたいと語った。