「極端な高温」はすでに世界共通の趨勢となっていると訴える環境部の彭啓明部長。(写真:環境部)
イベント初日の午前中は「台日抗高温調適論壇」(台日暑さ対策・適応フォーラム)が開催され、日本と台湾の気象、労働安全、公衆衛生など、産学各界の専門家が意見交換を行った。日本側は、熱中症警戒アラートシステム、WBGT(暑さ指数)を用いたリスク管理、職場における熱中症対策を法的義務とする制度などを紹介した。台湾側は、科学的分析に基づく植樹による暑熱環境の改善、高温リスクマップの整備、リアルタイム通報システムなど、都市の暑さ対策やスマート適応に関する成果を共有した。双方は、制度整備の前倒しによる備えの強化、科学的知見に基づく公共サービス、台日の長期協力の深化の3点についてコンセンサスを得た。
午後には「産官学交流座談会」が開催され、環境部の謝燕儒政務次長(副大臣)が座長を務めた。座談会では日本と台湾の政府、産業界、学術界の代表が、「政策の実践」と「産業発展の商機」の2つをテーマに議論を行った。参加者は暑さ対策に関するガバナンスや制度、警戒・予防のメカニズム、適応技術をいかにして都市の行政、職場の安全管理、人々の暮らしに反映させるかについて意見を交わし、暑さ対策の最新動向を知り、また協力の可能性を探った。交通部中央気象署や労働部職業安全衛生署の関係者、それに高雄市環境保護局の許錦春主任秘書も参加し、中央政府、地方自治体、産業界、海外諸国が連携して暑熱適応政策を推進する姿勢を示したほか、高温警報の運用、社会的弱者の保護、職場における暑熱リスク管理などについて実務経験を共有した。
このほか、イベントの一環として台湾防災産業協会、一般社団法人日本能率協会(JMA)、静岡県防災用品普及促進協議会の3者が暑さ対策に関する協力覚書(MOU)を締結した。締結式には環境部の彭啓明部長も立ち会い、台湾の暑さ対策が国際協力という新たな段階へ進んだことを宣言した。3者は今後、暑さ対策や適応、都市のレジリエンス、技術交流、産業協力などをさらに強化し、アジアにおける新たな暑さ対策協力のモデル構築を目指す。
なお、環境部は近年、企業や民間団体との連携を進め、高温適応ネットワークの拡充を図っている。暑さをしのげるスポットを掲載した「クールマップ」(Cool Map)には台湾全域9,641か所の涼感スポットが登録されている。これらはAI Ready形式のデータとして公開され、各種システムとの連携も可能だ。このほか、環境部は台湾の金融機関や企業と協力し、市民が無料で利用できる避暑スペースを提供することで、暑さ対策のネットワーク充実を進めている。