国立中央大学天文研究所(台湾北部・桃園市)が管理する鹿林天文台(台湾中部・南投県)は、同天文台が発見した小惑星「登録番号281561」と「登録番号278986」を、それぞれ「Taitung(=台東)」と「Chenshuchu(=陳樹菊)」と名付けた。国立中央大学の周景揚校長(=学長)は5日、台東県(台湾南東部)を訪れて命名の儀式を行うと共に、2つの小惑星の命名証明書を台東県の黄健庭県長(=県知事)と陳樹菊さんに手渡す。
小惑星に「Taitung(=台東)」と名付けることを決めたのは、台東が天体観測に絶好の場所であるため。また、陳樹菊さんは台東県在住の慈善家の名前。
陳樹菊さんは現在68歳。13歳から野菜を売り始めた。20歳のころ、結婚を約束した相手がいたが、「おまえが嫁にいったら、誰が兄弟姉妹たちの面倒を見るんだ」という父親の一言で結婚を諦め、そのまま婚期を逃した。母親が早くに亡くなったので、母親の代わりに市場で野菜を売り、妹や弟たちの世話をした。いまでも独身を貫いている。かつて母親や弟が病気で苦しんでいたとき、周りから助けを受けたことから、野菜を売って苦労してコツコツ稼いだお金を、助けを必要とする人に寄付するようになった。
もともとは人知れず善行を積んでいた一介の市民にすぎなかったが、2010年に雑誌『タイム』の「100人のヒーローたち」に選ばれて以来、「台湾の光(=台湾の誇り)」、「台東の光(=台東の誇り)」と呼ばれるようになった。美しい心を持った陳樹菊さんの名前を小惑星に付けることで、星空はより一層美しさを増すことだろう。