バドミントン用品における世界的大手の台湾の勝利體育はこのほど、国立成功大学(台湾南部・台南市)の多分野・複数校による研究・開発チームと契約を交わすこととなった。国立成功大学は、AIoT(モノのインターネット(IoT)と人工知能(AI)を組み合わせた技術)による「スマートバドミントントレーニングモデル」のプログラムを提供する。このハイテク技術を搭載したAIコーチとインテリジェントバドミントンラケットを通して、スマッシュの打点やスイングのフォームの矯正をサポートし、より正確で効率良いトレーニングを実現できるよう期待が持たれる。
科技部(日本の文部科学省に類似)は、2018年から「高精度スポーツ科学研究プログラム計画」を推進している。そのうち、国立成功大学・スポーツ健康及びレジャー研究所の蔡佳良特別招聘教授が組織した分野と大学を横断する産学連携チームは、バドミントンを研究対象として、「AIoTによるスマートバドミントントレーニングモデル」の研究・開発に着手した。チームのメンバーには、同大学のAIデジタルトランスフォーメーションセンターの王振興執行長兼主任、物理治療学科の蔡一如准教授、逢甲大学(台湾中部・台中市)自動制御工学部の許煜亮准教授らが名を連ねている。
「AIoTによるスマートバドミントントレーニングモデル」は、AIoT機能を搭載したバドミントンラケット、スマートウォッチ、AI画像認識システム、AIoT機能とクラウドを活用したビッグデータ分析プラットフォームによって、台湾初の「AIoTによるバドミントンコート総合ソリューション」を開発し、画像とデータ分析サービスを提供する。
プログラムの研究開発にあたって、台南新豊高中(高校)のバドミントン部の協力を得た。同校の学務主任でバドミントン部コーチを務める李宜勲教諭は、「今までバドミントンのトレーニングは、主にコーチの経験や練習風景を録画したものを参考に選手のフォームなどの調整を行ってきた。今回開発されたAIoT機能を搭載したバドミントンラケットやスマートウォッチを使えば、より正確なトレーニングが可能となる。選手自身もスイングフォームやスマッシュの打点が正しいかどうか把握することができる。さらに、スマートウォッチに蓄積されたデータによって、選手の心肺機能や疲労度も一目瞭然で、これによってトレーニング方法を調整しながら効率的なトレーニングを実現させることができる」と強調した。
研究チームは現在、同研究の商品化に向けた調整段階で、勝利體育と協力覚書を締結した。
勝利體育によると、研究・開発されたAIoTバドミントンラケットには、グリップに3つのセンサーが搭載されている。現段階での予定販売価格は、5,000台湾元(約1万8,000日本円)以下に設定されており、一般的な従来のバドミントンラケットと大差ない。勝利體育は、今後、携帯アプリが開発され、バドミントンラケットを手にしてすぐにフォームをどのように調整すれば良いかがわかり、AIによるパーソナルトレーナーの指導がいつでも受けられるようになってほしいとの意気込みを語った。
台湾のスポーツ選手養成拠点、国家運動訓練中心( ナショナル・スポーツ・トレーニングセンター)では、年末に台湾初の「AIoTによるバドミントンコート総合ソリューション」の使用を開始する予定だ。これで、バドミントン選手が更に好成績を残せるよう望まれる。