台湾では最近、新型コロナウイルスで感染源不明のクラスターが連続して発生。このため政府の公式アプリ「台湾社交距離App」(以下、「台湾ソーシャルディスタンス・アプリ」)が改めて注目を集めている。ダウンロードして近接通信機能のブルートゥースをオンにすれば、同アプリは利用者が感染者と接触していたかどうかを確認し、接触があった場合は通知してくれる。このためネットユーザーの間で、「新型コロナウイルスから命を守る護身符だ」として利用を強く薦める声が広がっている。
台湾では新型コロナウイルスの感染が市中感染のフェーズに入ったと警戒が高まっている。新たに見つかった感染者の行動履歴に関心が集まっており、運営開始から約1カ月となる衛生福利部疾病管制署(台湾CDC)の「台湾ソーシャルディスタンス・アプリ」は無料のツールアプリのダウンロード回数でトップとなっている。
中央感染症指揮センター(新型コロナウイルス対策本部)が先ごろ行った説明によると、このアプリは主に携帯電話間におけるブルートゥースの電波の強弱を利用して過去14日間の接触履歴を記録するもの。同アプリの使用者から感染者が出て、関連のデータがアップロードされたならば、過去にその人から2メートル以内の距離にいたことがある、もしくは2分間以上接触していた使用者に通知が送られる。
陽性確認の通知を受けた同アプリの使用者が自身のモバイル端末(携帯電話)のランダムID(hashed ID 他との近接を検知するためのID)をアップロードすることに同意した場合、衛生部門より認証コードが発行され、使用者はそれを使って同IDをアップロードすることになる。衛生部門による認証コードの提供を受けずに使用者が自身の感染を宣言(登録)することは出来ないため、不要な警告メッセージの発出は避けられる。
野党・台湾基進で新聞部(ニュース部)副主任を務める陳子瑜氏は、「台湾ソーシャルディスタンス・アプリ」は1年前に行政院(内閣)と民間が協力して開発したもので、昨年6月にはソースコードを公開してより深刻な感染状況にある国々が無償で使えるようにしており、「Taiwan can help」(台湾はお手伝いできます)の実践例の一つだと指摘した。「Taiwan can help」は中華民国政府がWHO(世界保健機関)への参加を目指す際のスローガン。
同アプリの開発に当たった台湾人工智慧実験室の公式ウェブサイトによると、「台湾ソーシャルディスタンス・アプリ」は個人情報を一切収集せず、接触に関する記録は使用者の携帯電話だけに保持される。使用者はこれにより、接触者の延べ人数を毎日把握することが出来、潜在的なリスクを防ぐことが可能になる。一定期間経過すれば情報は削除され、プライバシーも守られるという。