頼清徳副総統が8日午後、台湾南部・台南市で行われた「八田與一技師逝世81周年追思紀念会(=八田與一技師逝去81周年墓前祭)」に出席し、日本統治時代に日本人技師の八田與一氏が烏山頭ダムと嘉南大圳を建設し、台湾経済の発展に大きく貢献したことに感謝した。烏山頭ダム(台南市)とそれを含む農水施設である嘉南大圳は1920年着工、1930年に完成した。
頼副総統はスピーチの中で、「感謝の心を胸に台南市に戻り、追悼記念会に参加した(頼副総統はかつて台南市で学び、市長も務めた)。また蔡英文総統の代理としても八田技師、そして烏山頭ダムと嘉南大圳を建設し、台湾経済の発展に大きく貢献した日本と台湾の全ての建設作業員に感謝する」と述べた。
頼副総統によると、烏山頭ダムが出来るまで嘉南平野は灌漑が難しく、農家の生活は非常に苦しかった。八田技師は同ダムと嘉南大圳の建設を2年かけて計画、日本の総督府の支持を取り付けたばかりでなく米国とイギリスからは当時最新の設備も調達し、合計10年もの時間を費やしてこれらを完成させた。頼副総統は、「烏山頭ダムは時間という試練にも耐え、『八七水災』(1959年に台湾中南部で起きた水害)や『921大地震』(1999年9月に台湾中部を震源に発生した大地震)など大規模な自然災害も乗り越えた。非常に敬服するところだ」とその品質を称えた。
頼副総統は、烏山頭ダムはすでに台日の友情が交流する重要なプラットフォームになり、双方は家族のような感情を持つようになったと評価。地震が起きれば互いに思いやり、新型コロナウイルスが広がった際には日本が台湾に400万回分以上のワクチンを無償提供する一方、台湾からも感染予防物資を日本に提供するなど、「まさかの時の友こそ真の友」の気持ちが存分に発揮されたと説明した。
頼副総統はさらに、台湾と日本の友情は今も広がっており、それは人的な交流と経済協力にとどまらないとし、「全体主義の拡張に向き合い、両国は地域の平和と安定を一緒に守り抜こうとしている」と強調した。
そして頼副総統は、日本の故・安倍晋三元首相がかつて「台湾有事は日本有事」と明言したことに触れ、「台湾でも多くの人々が『日本有事は台湾有事』と考えている。平和には力が必要であり、力は団結してこそ大きくなる。団結の力は烏山頭ダムのように世代や国境を越える。みなが互いに協力すれば地域は自然と平和になり安定するだろう」と述べた。