現代アーティストの蘇予昕さんは、英ロンドンのスレード美術学校の修士課程を修了し、その作品は、ロンドン、ドバイ、上海などで展示された経験を持つ。様々な気象現象、地質、色彩表現を探求することを得意とし、各種の素材で自作した顔料を使用して、独特な絵画を創作している。2018年には国立台湾美術館が主催する「アジア・アート・ビエンナーレ」に参加した。
蘇予昕さんは今回の特別展で、カリフォルニアの海岸線、ユタの鉱山郡の地下坑道、ハワイの火山島などの地質鉱物を捉え、目に見えない自然現象を目に見える芸術作品として生み出した。作品は、見る者に色彩の起源、機能、移植、可能性について新たな角度から訴えている。「近水之地(東台湾臨海道路)」という作品は、オレンジカウンティ美術館の常設コレクションとなった。土、巻貝、レーキ、石黄、紫色の頁岩、赭石、酸化チタンなどの媒材を使用し、台湾東海岸の断層による独特な景觀を再現した。台湾東部・花蓮出身でもある蘇予昕さんのアーティストとしての人生経験を反映している作品だ。
駐ロサンゼルス台湾書院の簡德源主任は、開幕晩餐会で、「オレンジカウンティ美術館は13人の女性によって設立され、女性アーティストの作品を重視している。今回初めて台湾アーティストの個展を開催することができた。会場のメイン展示エリアでは、蘇予昕さんの太平洋の風景をテーマにした作品を展示している。この作品を通じて、より多くの文化交流と対話を促進できると信じている」と述べた。
オレンジカウンティ美術館のHeidi Zuckerman館長によると、蘇予昕さんの創作プロセスは魅力的で、自作した顔料を使って流れるような風景画を描き出す。作品は革新的かつ刺激的で、世界を形作る様々な動きや現象を表現している。
「蘇予昕:掘地覓天(Searching the Sky for Gold」特別展の詳細は公式ホームページ(英語)を参照のこと。