台中の国家漫画博物館籌備処(準備処:台中市西区林森路33号)は29日から8月30日まで、台湾の野球漫画をテーマにした特別展「塁上有人:台湾野球漫画のフルスイング」を開催する。台湾野球が2024年WBSC世界野球プレミア12で優勝し台湾全土で熱狂を呼び起こし、これを記録したドキュメンタリー映画の好調成績も好調で、また2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を間近に控えた中での開催となる。
特別展の開幕には、文化部の李遠部長(大臣)、運動部(スポーツ省)の黄啓煌政務次長(副大臣)、何欣純立法委員(台中選出)、台中市議会の黄守達議員をはじめ、キュレーターの李鳳然氏、キュレーション顧問の謝仕淵氏、『金球棒』や『棒球迷小安安』といった作品を手がけた漫画家の劉興欽氏、『決勝球』の作者である宗青氏、『棒球人生賽』の作者である蠢羊氏、ビジュアルデザイナーで漫画家のGGDOG氏、さらに『阿坡球経』の主人公であり台湾野球殿堂協会を創設した黄瑛坡理事長らが開幕記者会見に出席した。
今回の特別展と同時に、文化部と運動部による協力の一環として、「スポーツ漫画コンテスト」の開始が発表された。スポーツ漫画の創作・出版に取り組む意欲のある法人、学校、事業者または団体が対象で、応募は4月30日まで受け付ける。5案件を選び、各案件に200万台湾元(約978万日本円)の奨励金を提供する。李洋部長は、文化とスポーツのコラボレーションについて、映画ではすでに、日本統治時代に甲子園に出場した台湾の高校野球チームの活躍を描いた劇映画『KANO』やWBSCプレミア12での台湾チームの優勝への道のりを追ったドキュメンタリー『冠軍之路』といった成功事例があり、漫画も映画と同様に大きな感動を生み出す力があると信じており、このため両省庁がそれぞれ500万台湾元(約2,445万日本円)を拠出し、5組の漫画制作チームを選出してスポーツ漫画の共同制作に取り組んでもらうと述べた。文化部は選ばれたチームの支援および進行管理を担当し、運動部は採択チームのニーズに応じて、アスリートや関連団体へのインタビューのマッチング、専門的な顧問によるコンサルティング、国家運動訓練センターなどでの取材やフィールド調査の手配を支援する。
さらに、文化部と運動部はこの特別展「塁上有人」を皮切りに、一連の展示で協力する。4月21日からはアジア競技大会に合わせ、国立台湾歴史博物館と運動部が共同で「アジアの現場―台湾とアジア競技大会特別展」を開催する予定。また、間近に迫るWBCの開催に合わせ、3月1日から7月26日まで、台北ドームに13枚の大型看板を設置し、野球漫画をテーマとしたビジュアルを展示することが発表された。
運動部の黄政務次長は、「塁上有人」は一つのチャンスを象徴しており、台湾の人々の野球に対する思いは「どうかチャンスを、全力で一打を放つから」であると述べた。スポーツと文化が結び付くことで、人々に対する影響力はさらに大きくなるとし、「だからこそ文化部との継続的な協力を大いに期待している」と語った。今回の特別展やスポーツ漫画コンテストでの協力は、スポーツ漫画の新たな一ページを切り開くだけでなく、クリエイティブとスポーツ産業の融合を通じて、人々が運動に取り組む意欲が喚起されることを期待していると述べた。
国家漫画博物館によると、今回の特別展は、数十年にわたる台湾の野球漫画を通じて、野球漫画がいかに社会のさまざまな段階に寄り添ってきたかを紹介する。1960年代には検閲制度の影響を受け、模写によるコピー、海賊版翻訳、切り貼りの創作といった特殊な現象が生まれた。その後、オリジナル作品が徐々に誕生し、1990年に台湾プロ野球が開幕して以降、漫画は地域文化、スター選手の物語、青春の思いなどを担うようになり、台湾独自の語りのリズムとビジュアルを発展させてきた。展示では、スポーツにおける熱血といった精神的価値、試合の過程が描かれているだけでなく、コマとコマの間で野球に対する思いや想像力がどのように形作られてきたのか、そしてかつて球場や漫画の中で人々が心を震わせた瞬間を見ることができるとしている。
展示のほか多彩なインタラクティブ体験も企画されている。マルチメディア体験展示室では自分だけの選手カードを制作でき、展示会場でのチェックインミッションを完了すればトークンと交換でき、限定記念グッズをガチャガチャで引くことができる。