エスル財団は、国連障害者権利条約(CRPD)の理念をもとに、教育・雇用・ICT・アクセシビリティ・自立生活など幅広い分野で、世界各地の革新的な実践を発掘・検証し、国際的な共有と普及を行っている。今回の選考では、93か国から586件の応募があり、最終的に51か国82件の取り組みが受賞した。NCDRは、科学モデルと多様なデータを統合させたデジタルプラットフォームにより、地方自治体が平時から避難・収容計画を立案できるよう支援しており、これが審査員に高く評価された。表彰式は18日から20日まで、オーストリア・ウィーンの国連施設で開催された。
現在、このシステムは台湾全土の22県・市で展開され、2020年から2025年上期までの期間、累計27,000回以上のシナリオ計画に活用された。プラットフォームは、過去の台風のデータ、浸水・土石流の潜在リスク情報、戸籍データ、社会意識調査、社会福祉関連情報など、10種類の国家レベルのデータを融合したもので、これにより、これまで地方自治体が減災計画で直面してきた課題、例えば高齢者や障害者など特定の避難者のニーズを把握することの難しさ、数値による評価ツールの不足、バリアフリーや特別支援施設の配置、災害シミュレーションの結果と人口構造を同一のプラットフォームで統合分析することの難しさ、といった問題に対応している。さらに、システムの利用率向上と地域への定着を図るため、NCDRは「Training of Trainers」(指導者養成)のモデルを採用し、大学、非政府組織、地方自治体との連携体制を構築。教育訓練や地域での運用能力の強化、フィードバックの回収などを進めることで、システムを継続的に更新させ、第一線のニーズにより近づけるようにしている。
NCDRによる今回の受賞は、台湾の防災技術とガバナンスの成果が国際的に認められたことを意味する。国家科学及技術委員会は、今後もNCDRによる技術革新とデータガバナンスの深化を支援し、アクセシビリティを重視した災害リスク管理能力を強化することで、社会全体の防災レジリエンス向上を目指したいとしている。