この地図は、4人の白色テロ被害者を軸に構成したもので、政治に関する公文書や史料研究、地理情報、映像資料など多様な手法を組み合わせ、歴史の文脈の中で個々の人生の軌跡を再構築した。これらの地図は単なる史跡の表示にとどまらず、権威主義体制下における人々の生命の軌跡を描き出したもので、今後は教育課程にも取り入れ、学校現場での議論や社会的対話の促進につなげていく方針だ。
また、監察院の監察委員である范巽緑氏は、成果発表会が開催された高雄市立歴史博物館が「不義遺址」(二・二八事件あるいは白色テロ時代に人権侵害が行われた場所を意味する)であることに言及。この場を借りての発表には大きな象徴的意義があると指摘した。そして、人権はすでに「九年一貫課程網要」(日本の学習指導要領に相当)の段階から教育に組み込まれており、「108課程綱要」(2019学年度から始まった最新の学習指導要領)では国家暴力や「移行期正義」が明確に重要項目として位置づけられているが、それを教育現場で具体的な授業として実践することは、教育者にとって依然大きな課題となっていると述べた。
国家人権博物館の統計によると、1945年から1992年までの期間、台湾で行われた白色テロの被害者は1万2,060人にのぼり、家族への影響を含めればその数がさらに膨らむと見られている。教育部国民及学前教育署の詹雅恵組長は、この歴史は過去の傷跡であるだけでなく、社会の発展にも深く影響を与えているとし、教育を通じて再現することで、人権や民主主義の価値への理解を育むことができると述べた。
詹雅恵組長はまた、このパンフレット「白恐不迷路地図」は単なる研究成果ではなく、重要な教育資源でもあると強調。地域で発生した物語とその空間を結びつけることで、生徒たちが歴史を理解し、過去を振り返りながら、民主主義と人権を守るという意識を育めるよう期待しており、「移行期正義」を、社会がこれからも前進していくための力にしていきたいと述べた。