会場到着後、蕭副総統はまず、ホロコーストの生き残りであるTswi Josef Herschel氏の証言映像「Whose Child Are You?」(あなたは誰の子どもか)を鑑賞し、ユダヤ教のラビ(聖職者)による祈祷文の朗読に耳を傾けた後、来賓とともに点灯式に参加した。
英語でスピーチを行った蕭副総統は、イスラエル駐台北経済文化弁事処、徳国在台協会、台湾民主基金会の主催、および外交部の協力により、今年もこの行事が開催されたことに謝意を表し、この重要な歴史を風化させないことの意義を強調した。そして、こんにちホロコーストの犠牲者を追悼することは、生存者への支持を示すものであり、それと同時に命の危険を冒して人々を救った英雄を称え、この悲劇で傷を負い苦しんだすべての人々に深い哀悼と敬意を示すものだと述べた。
蕭副総統は、ホロコーストが人類の集合記憶に消えない傷を残したと指摘。約600万人のユダヤ人犠牲者に加え、異なる民族・国籍・思想を持つ数百万もの人々が組織的迫害を受けたとし、「この歴史は民主制度と人権を守ることによってのみ、暴政の影が再び拡大するのを防ぐことができるということを我々に痛感させてくれるものだ」と述べた。
蕭副総統はまた、台湾もその発展過程で権威主義体制の影響を受けてきたとし、「二・二八事件や白色テロを振り返ることで、我々は自由を守り、社会基盤を見直すことの重要性を深く認識することができる」と述べた。そして、2017年の「促進転型正義条例」(移行期正義促進条例)制定以降、政治文書の公開、権威主義の象徴の撤去、それに被害者の名誉回復などが進められていると説明。台湾は移行期正義の実現に積極的に取り組んでおり、被害者に対して敬意を払い、歴史の真実を守るだけでなく、グッドガバナンスと社会的責任の推進にも力を入れ、「不義遺址」(権威主義体制の下、人々の権利に対する侵害が行われた場所のこと。人権の歴史を記念する遺構)の認定や記念碑の設置を通じて、過去の暴力を人々の人権意識を呼び覚ます契機へと転換していることを伝えた。
蕭副総統は、台湾は世界における善良なパワーとして、国内外の憎悪や偏見を取り除く決意を持っているとして、これからも人道支援や教育活動、価値観に基づく対話の促進などを通じて、国際協力を深化させるための機会を模索していきたいと述べた。そして、これらの取り組みはいずれも、台湾が人道主義の精神に対して揺るぎないコミットメントを有していることを具体的に示すものだと強調した。
最後に蕭副総統は、強靭性を兼ね備えた自由な台湾は、世界の人道支援にさらに貢献できると確信していると述べ、権威主義の拡張の影が国際秩序に広がる中でも、共通の価値へのコミットメントは揺るがないと強調した。そして、「歴史を教訓として、近い林衛を持つ国々との連携を強化し、過去の悲劇を繰り返さないようにするとともに、いつくしみ、理性、共感をもって分断を乗り越え、次世代のためにより思いやりがあり、平和で希望に満ちた世界を再構築していきたい」と語った。