「台湾手話」(台湾華語を手で表現するのではなく、独自の文法や表現体系を持つ)の継承・復興および発展に尽力した功労者を顕彰するため、文化部は今年初めて「台湾手語貢献奨」(奨は日本語の賞を意味する)を創設した。その第1回受賞者が、長年にわたり台湾手話を主体とした文化の構築に取り組んできた顧玉山さんに授与されることが発表された。文化部は6月13日と14日に台南国家美術館(台南市中西区)で「第3回国家語言発展会議」を開催し、その初日となる13日に「台湾手語貢献奨」の授賞式を開催する。
台湾では2019年に「国家語言発展法」が公布・施行され、「台湾手話」が正式に「国家言語」の一つに認定された。「台湾手話」はこれにより、一般に「国語」と呼ばれる台湾の標準中国語(台湾華語)や台湾語(閩南語・ホーロー語とも)、客家語、各先住民族の言語、離島で使用される馬祖語(閩東語系)といったさまざまなエスニック・グループが使用する自然言語と同等・平等な地位を法的に獲得した。「台湾手話」の基礎は日本統治時代に形成されたと言われており、「日本手話」との共通点も多いことで知られる。
「台湾手話貢献奨」の審査委員会は、顧玉山さんについて「台湾手話界の国宝」と評している。その理由は、顧玉山さんが長年にわたり「台湾手話」の起源や文法構造を深く研究し、自ら全国各地を巡ってろう者たちと交流しながら手話の継承を推進してきた人物であり、「台湾手話」の発展に長期的かつ深遠な影響を与えてきたからだ。その取り組みは半世紀近くに及び、「台湾手話」の萌芽期から発展へ向かう重要な過程を見届け、また推進してきた。文化部は、「台湾手語貢献奨」の初代受賞者として、「台湾手話」の基礎を築いた顧玉山さんが選ばれたことは、極めて象徴的かつ模範としての意義を持つと評価。顧玉山さんの長年にわたる尽力に深く感謝し、その尽力が後続の手話文化や教育の普及、社会実践などの重要な基盤を築いたと称えた。
幼少期に病気で聴力を失った顧玉山さんは1977年、台湾初の手話劇団「台北聾劇団」を創設して団長を務めた。1978年には中華民国聾人手語研究会(中華民国聾人協会の前身)を設立。また、台湾各地のろう者コミュニティに足を運び、意味体系や視覚言語としてロジックにかなった「台湾手話」の研究を進めた。当時はまだ、手話は単なるバリアフリーの支援ツールと見なされていた時代だったが、顧玉山さんは、ろう者は聴力を失った障害者ではなく、「手で心を通わせ、手で物事や考えを表現する少数言語集団」であると主張していた。
「第3回国家語言発展会議」は6月13日と14日の両日、台南国家美術館で開催される。関連情報は「第3回国家語言発展会議」公式サイト(https://nldc.moc.gov.tw/home/zh-tw?utm_source=chatgpt.com)を参照のこと。