台湾東部・花蓮県にある観光名所、太魯閣(タロコ)国家公園は2024年4月3日に発生した地震によって深刻な被害を受けた。震災後、園区内では通信が遮断され、既存の通信設備の老朽化問題が浮き彫りになった。また、高山地域では携帯電話の電波が制限されているため、たとえば南湖大山では衛星電話や無線機に頼ることが多く、特定の場所まで移動してようやく携帯電波を受信できる状況だった。こうした状況を鑑み、日本の総合無線機メーカー、アイコム株式会社は同年、花蓮県消防局などにIPトランシーバー50台を寄贈した。それに続く第2弾として、アイコム株式会社から20日、VHF/LTEデュアルモード機能を備えたデジタル携帯無線機20台、その関連アクセサリー、1年間分の通信回線費用に加え、システム更新支援など、総額100万台湾元(約500万円)以上の製品が太魯閣国家公園管理処に対して寄贈された。
太魯閣国家公園管理処が20日に開催した寄贈式には、アイコム株式会社とその台湾代理店である至鴻科技(Harbinger)の関係者が出席した。太魯閣国家公園管理処は、これらを工事担当者や自然保護巡視員に配備し、被害調査や復旧作業に活用する考えであることを明らかにした。
アイコム株式会社の海外営業部長を務める寺崎真也氏は、「災害復興には安定した通信が不可欠だ。それは指揮・調整、即時対応、人員の安全確保を維持するための重要な鍵となる」と述べた。また、「通信分野の専門技術を通じて、台湾の公共安全と防災にさらに貢献したい」と期待を示した。寺崎氏によると、この無線設備は従来型無線通信(VHF)と移動通信ネットワーク(LTE)を統合したもので、複雑な地形や緊急時において、より柔軟に、安定した通信手段を提供できるという。