2026/05/28

Taiwan Today

文化・社会

国立台湾博物館鉄道部園区、「言論統制下の情報伝達」を約200点の資料で伝える

2026/05/26
国立台湾博物館鉄道園区で25日、メディアや言論が統制されていた時代に台湾の人々がいかにして真実の情報を伝えてきたかを約200点に上る資料で伝える特別展「時代的訊号:伝播技術與民主的攪動」が始まった。展示は2027年2月21日まで。(文化部)
国立台湾博物館鉄道園区(鉄道部パーク:台北市大同区延平北路一段2号)で25日、メディアや言論が統制されていた時代に台湾の人々がいかにして真実の情報を伝えてきたかを約200点に上る資料で伝える特別展「時代的訊号:伝播技術與民主的攪動」が始まった。伝播技術が時代によって、いかにして権力構造を揺るがし、台湾の民主化にとって重要な推進力となってきたかを振り返る内容となっている。展示は2027年2月21日まで。
 
25日に行われた開幕式には文化部の李遠部長、国立台湾博物館のの陳登欽館長、国立故宮博物院の呉密察元院長、中央研究院原子與分子科学研究所の陳貴賢特聘研究員、国家電影及視聴文化中心(TFAI)の褚明仁董事長、台湾緑色小組影像紀錄永続協会の李三沖代表、呉三連台湾史料基金会の何義麟秘書長、写真家の邱萬興氏ら、多数の伝播・メディア関係者や有識者が出席した。
 
展示エリアは時代背景によって4つに区分されている。日本統治時代には紙媒体、街頭演説、映画の上映などを通じて社会的主張が行われた。戦後になると雑誌やガリ版印刷物による体制批判が登場。1970~80年代には党外雑誌(反体制系・民主化運動系の雑誌の総称)の流通、留守番電話システムに録音を残す形で形成された海外とのネットワーク、ENGカメラ(撮影機材)による現場記録などを通じて、政府の強い統制下を受けたメディアによる独占市場に風穴を開けた。1990年代以降は地下ラジオ局が台頭し、現在ではインターネットやSNSが公共議論を迅速につなぐ媒体となっている。台湾社会が低コストかつ柔軟な媒介や技術を活用しながら、人々を結びつけ、抵抗の力を拡散してきた過程を見て取ることができる。
 
国立台湾博物館の陳登欽館長は開幕式の挨拶で、台湾の民主化と伝播技術の進化は密接に結びついており、ここに登場するあらゆるメディアが、かつて人々が制約を突破し、情報を交換するための重要な道具であったと強調した。また、今回の特別展は「技術」を主軸にしたもので、参観者がその一つ一つの展示物の中から、台湾社会がいかに限られた資源を活用し、その声を届けていたかを見出して欲しいと語った。さらに、数多くの民間コレクター、研究者、社会運動家の協力によって、これまで混沌としていた歴史が整理され、可視化されたことに感謝した。
 
かつて地下ラジオ局「TNT宝島新声」を創設した陳貴賢氏は、戒厳令時代、海外に住んでいた台湾人が故郷の情報を得ることは極めて困難であり、当初は留守番電話や録音テープを通じて情報を伝えていたと語った。地下ラジオの登場は、政府によるメディアや周波数の独占を人々が突破しようとするための重要な行動であり、「情報伝達は民主主義の最も重要な基盤の一つ」であったと強調した。
 
党外雑誌の美術編集者を務めていた邱萬興氏は、1980年代の党外雑誌は検閲や摘発を避けるため、深夜に編集・印刷作業を急いで行っていたことを振り返った。当時は版組みや写植など複雑な工程を手作業で行っていたが、これらを夜明け前までに完成させなければ、検閲の目をかいくぐり、流通させることができなかたらだと語った。邱氏は今回の展示について、「台湾の民主化における『伝播』の歴史を取り上げたものとしては、近年見た中で最も完整で、最も素晴らしい展示だ」と絶賛した。
 
詳細は国立台湾博物館公式サイト(https://www.ntm.gov.tw/)を参照のこと。
 
特別展「時代的訊号:伝播技術與民主的攪動」
開館時間:2027年2月21日までの火曜~日曜日9:30-17:00(月曜定休日、旧暦大晦日と旧暦元日は休館)
場所:国立台湾博物館鉄道部園区庁舎1階特展庁(台北市大同区延平北路一段2号)
 

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