韓国・光州(クァンジュ)で9月5日に開幕予定の芸術祭「光州ビエンナーレ」における台湾の参加名称を巡り、主催者の光州ビエンナーレ財団は19日、(「台湾パビリオン」から国立台湾美術館の英語名略称「NTMOFA」への変更は)「政治的意図ではなく、参加機関名を表示しただけ」と説明する声明を発表した。これを受けて中華民国(台湾)文化部は同日、国立台湾美術館が提出した企画内容や双方の書簡のやり取りには、当初から一貫して「台湾パビリオン」と明記されていると反論。国立台湾美術館が台湾を代表して参加申請を行い、企画を提案し、主催者から「台湾パビリオン」の申請および契約締結について同意を得たことは、「双方のやり取りに存在する事実」だとした上で、引き続き「台湾パビリオン」の名称で参加を求め、曖昧さを残す余地はないと訴えた。
光州ビエンナーレ財団は19日に発表した声明で、国立台湾美術館が今年1月12日、国立台湾美術館という「機関」の身分で光州ビエンナーレ財団と出展契約書を交わしたとしている。しかし文化部によると、国立台湾美術館は今年3月に光州ビエンナーレ財団に対して「台湾パビリオン」を名称とする企画案を提出し、4月2日に主催者側から「台湾パビリオン」の申請が承認されたとの書面の通知を受けた。双方が契約を結んだのは、その後の4月23日のことである。この一連の過程はすべて、書簡のやり取りという証拠がある。よって文化部は、「1月12日という日付は主催者側の誤記であり、国立台湾美術館が契約を締結したことをもって、それが『機関パビリオン』としての申請だったと強調していることも不明確な解釈だ」などと反論している。
文化部は、法的根拠の観点からも、国際展覧会の慣例および双方の友好協力関係を維持するという観点からも、台湾は参加団体として主催者および関連規定を尊重する責任を十分に果たしていると強調。これを踏まえて文化部は、外交部および「光州ビエンナーレ」に参加する芸術家らと緊密に協議した上で、自由と民主主義の精神を尊ぶ重要な国際芸術祭であるこの「光州ビエンナーレ」に、引き続き「台湾パビリオン」の名称での参加を求めていく方針を改めて表明した。
光州ビエンナーレ財団が今年6月、「台湾パビリオン」の名称を独断で変更して以降、国立台湾美術館や台北駐韓国代表処などが一貫して抗議してきたが、光州ビエンナーレ財団は真正面から取り合うことを避けてきた。台湾や韓国のメディアがこの問題を取り上げるようになり、世論の関心が高まっていることを受け、19日になってようやく声明を発表した。これについて文化部は、光州ビエンナーレ財団が声明で述べたように「事実に基づき」、建設的かつ協力的な方法により、この問題について引き続き議論していきたいとしている。
【これまでの流れ】
2026年1月:台湾側が国立台湾美術館(NTMoFA)を窓口として光州ビエンナーレへの参加を申請するとともに、台湾のアーティストやキュレーターらによる展示を企画。台湾側は企画書の段階から「台湾パビリオン」の名称を使用して、主催者側と協議を進める
2026年4月23日:出展契約締結
2026年5~6月:詳細に関する協議の過程で、双方が一貫して「台湾パビリオン」の名称を使用
2026年6月10日:光州ビエンナーレ財団が「台湾パビリオン」から、国立台湾美術館の英語名の略称である「NTMoFA」を冠した「NTMoFAパビリオン」への名称変更を要求。台湾側が抗議
2026年6-7月:国立台湾美術館と光州ビエンナーレ財団が繰り返し交渉するもののコンセンサス得られず
2026年7月20日~28日:光州ビエンナーレ財団から公式ポスター等の広報物の内容確認を求められるが、国立台湾美術館は一貫して「NTMoFAパビリオン」の名称使用に同意せず、「台湾パビリオン」の名称使用を求める
2026年8月上旬:光州ビエンナーレが公式SNSなどで、参加パビリオンを紹介する広報物を公開。台湾について「NTMoFA」と表記。国立台湾美術館が声明を出し、8月12日までに名称を「台湾パビリオン」に戻すよう要求
2026年8月12日:光州ビエンナーレ財団から期限内回答得られず
2026年8月15日:光州ビエンナーレに出展予定の台湾の芸術家10人が、主催者の行為は「政治的検閲である」と非難する共同声明を発表
2026年8月17日:文化部が公式サイトで抗議
2026年8月18日:台湾・韓国のメディアが報道、世論の関心高まる
2026年8月19日:光州ビエンナーレ財団が「政治的意図ではなく、参加機関名を表示しただけ」と説明する声明を発表
2026年8月19日:文化部が公式サイトで反論。引き続き「台湾パビリオン」の名称での参加求めていくと改めて表明