媽祖は中国の宋代に実在した女性(林黙娘)を神格化した道教の女神。航海・漁業の守護神として中国沿海部(福建省)を中心に信仰を集め、その後、台湾、香港、マカオ、日本、ベトナムなど、海と関わりの深い地域に伝わった。元代に「天妃」の、清代に「天后」の尊号が与えられ、道教では最も地位の高い神とされる。
特別展では、アムステルダム国立美術館が収蔵する清代の「媽祖聖蹟図」7点や17世紀の中国福建省の徳化窯による「何朝宗款白磁観音像」、それに北港朝天宮(雲林県)の「二代祖媽轎」(2代目神輿)と儀仗、台南の祀典大天后宮に伝わる「鎮殿媽銀質七宝神笏」、安平開台天后宮、開基天后宮、三郊鎮港海安宮など、各地の媽祖廟が所蔵する貴重な文化財が展示されており、地方の女神だった媽祖が「天后」へとその地位を変えていった過程を紹介する。また、媽祖の「万象」(多様な姿)を通じて、数百年にわたり媽祖信仰をともに形作ってきた、さまざまな人々の姿にも光を当てる。
文化部の李遠部長は開幕式で、今回の特別展は媽祖の信仰儀礼を紹介するだけでなく、媽祖が「天后」となるまでの歩みを包括的に示すものだと説明。信仰の有無にかかわらず、すべての台湾の人々に来場を呼びかけ、この展示を通じて、台湾文化とは何か、その多様性や庶民の暮らしとの密接なつながり、そして文化の活力が、今日の台湾社会の安定した発展を支えてきたことを理解してほしいと語った。
また、国立台湾歴史博物館の謝仕淵館長は、今回の特別展が実現したのは、多くの博物館や媽祖廟の支援があったからだと説明。海外からはオランダのアムステルダム国立美術館のほか、日本の国立国会図書館、神戸市立博物館、米国インディアナ大学のリリー図書館などが、貴重な資料を提供してくれたことに感謝した。
「万相天后:台湾媽祖信仰文化特展」(万象の女神:台湾媽祖信仰文化特別展)
開催期間:2026年10月13日~2027年5月16日
開館時間:火曜日~日曜日 9:00~17:00(月曜日休館)
場 所:国立台湾歴史博物館 展示教育ビル4F第1特別展示室
住 所:台南市安南区長和路一段250号
国立台湾歴史博物館の公式サイト:https://www.nmth.gov.tw/
フェイスブック:https://www.facebook.com/NMTH100