蔡英文総統は18日、同性婚合法化の是非を巡って賛成派と反対派の対立が激化する中、対立を緩和し、解決の道を模索するため、この議題に対して異なる立場を主張する団体の代表らを総統府に招いた。蔡総統は午前と午後の2回に分け、それぞれの団体代表らと会見。その意見と訴えを自ら聴取した。蔡総統が、それぞれの団体代表らに対して伝えた自らの意見は下記のとおり。
一、同性婚の合法化に関しては、社会の幅広い対話が必要である。これは自分がこれまで何度も強調しているとおりである。
二、(蔡総統が主席を務める)与党・民主進歩党は民主政党であり、異なる意見の存在を容認している。このため、これまでも異なる意見が存在してきた伝統がある。しかし、与党としてこの議題に関しては、一致した意見と一致した歩調で責任をもって取り組んでいきたいと考える。
三、同性婚合法化の関連法案は委員会で可決され、与野党協議が行われることになっているが、あらゆる意見と可能性が十分に議論される余地を残している。
四、双方の意見を聴取した結果、さまざまな宗教団体が「家庭の価値」を非常に重視していること、そして同性婚を望む人々がどれほど「家庭」を持ちたいと渇望しているかを理解することができた。反対派が主張する「家庭の価値」と、賛成派が主張する「婚姻の平等」は、必ずしも相反する概念ではない。
五、関連法案の法制化手続きについては、法務部(日本の法務省に相当)の邱太三部長(大臣)に全権委任している。邱部長には、各国の関連法案や法改正の具体例を十分に収集し、かつより完全でより正確な情報の下、賛成派と反対派の人々が理性的に議論し、問題を解決できるよう求めている。