国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は22日、2016/17年度の年次報告書を発行した。台湾に関する記述は、3名の死刑囚について状況が改善されたこと、同性婚の合法化へ向けて進展があったこと、「難民法」草案が一読会を通過(台湾では三読制で、残り二回の審議を経て成立となる)したことなど、おおむね前向きな内容となった。
「アムネスティ・インターナショナル」は本部を英ロンドンに置く。今年は初めて、フランスのパリで最新の年次報告書を発表した。世界159か国・地域を対象とする報告書で、中華民国(台湾)もその中に含まれているが、記述の内容はそれほど多くはない。
台湾に関する記述では、まずその「まえがき」で、台湾初となる女性の総統が昨年当選、就任したこと。次に長期にわたり服役している3名の死刑囚について、冤罪が確定して釈放されたりするなど進展が見られたことを挙げた。ただし、一部の暴力的犯罪により、死刑制度存続を支持する市民の声が上がっていることを付け加えた。
また、台湾の多くの自治体が同性パートナーシップ制度を設け、立法院(国会)及び法制委員会でも民法の「親属編」の一部条文改正案が一読会を通過するなど、同性婚合法化へ向けて大きく前進していることが取り上げられた。
本文では、「ひまわり学生運動」と呼ばれる2014年3月に発生した学生や市民による社会運動に関して、新政権が運動に関わった126人全員を不起訴としたことを指摘。また、立法院で2016年に一読会を通過した「難民法」草案については、この法律が成立すれば、台湾で初めて難民に関する法律が誕生することになり、台湾への政治亡命を希望する中国大陸の住民の受け入れが可能になると説明している。