中華民国(台湾)の最高司法機関である司法院の大法官は24日、釈字第748号解釈を発表、現行の法令が同性婚を保障していないことは違憲だと判断した。この結果を不満とする、「下一代幸福聯盟(次世代幸福聯盟)」は25日、国民投票に向けて署名運動を発起すると宣言した。
同団体が署名運動を発起する国民投票の二つの問題のうち一つは、「婚姻は、一人の男性と一人の女性の結びつきに限定すべきであることに同意するかどうか」で、もう一問は、「国民教育(小学校と中学校)の段階で、未成年の子どもたちに同性愛に関する教育は行うべきでないとする考えに同意するかどうか」。
同団体では、婚姻や家庭の価値にかかわる重大な議題は少数の「司法エリート(大法官のこと)」によって決められるべきでなく、国民投票に委ねるべきだと考えている。
「次世代幸福聯盟」の活動総召集人を務める游信義氏は、今回の憲法解釈には多くの疑問点があるにもかかわらず司法院はそれに答えておらず、24日に発表された憲法解釈の結果は非常に偏り、不公平なものだと批判。司法が公正さを失い、公共の利益を無視することは許されない他、今回は司法権が明らかに立法権を侵害しているとして、全ての国民が立ち上がり、全面的に抵抗することになるとの見方を示した。同団体はそして、流れを逆転させることはできないとしても、今回の騒ぎによって公民意識が覚醒し、民意は最後の勝利を獲得するだろうと述べた。
「次世代幸福聯盟」の保護者代表、曽献瑩さんは、今回の憲法解釈では人々が重大な議題の討論に参与する権利がはく奪されたと主張、公聴会も、影響に関する検討報告もされなかったと述べた。曽さんは、世論調査では半数の人が同性婚を性急に認めることに反対していると強調、司法院における口頭弁論ではほぼ合法化を求める側の代表だけだったと批判した。
曽さんは、これほど重要な事柄には国民全体が参与する必要があると主張、25日に開いた記者会見では参加した人々を率い、「婚姻と家庭については国民全体で決める」、「子女の教育は両親が決める」などのシュプレヒコールを行った。
曽さんによると、現行の教科書には子どもに性転換が可能であることを教えている一方で、性転換のリスクには触れていない。曽さんは、教育部(日本の文科省に類似)が24日、大法官の憲法解釈結果に基づいて教科書を改訂すると述べたことに保護者は大変不安を感じているとし、このため二つ目の問題はジェンダー平等の教育に設定したと説明した。