台湾の最高司法機関、司法院の大法官は今年5月24日、同性婚姻の権利平等化に関する憲法解釈の結果を発表した。その後、「台湾同志諮詢熱線協会(台湾同性愛者ホットラインアソシエーション)と「婚姻平権大平台(婚姻の権利平等化大プラットフォーム)」が制作した映像が、スイスにある中華民国(台湾)の駐ジュネーブ弁事処(領事館に相当)の手配により、ジュネーブで1日に行われた「国際レズビアン・ゲイ協会(International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Association, ILGA)」授賞パーティーで放映された。
ILGAの授賞パーティーでは、今年の「同性愛の友賞(LGBTI Friend of the Year Award)」が国連の人権高等弁務官、ゼイド・ラアド・ゼイド・アル・フセイン(Zeid Ra’ad Al Hussein)氏に贈られると共に、中華民国の駐ジュネーブ弁事処も招かれた。台湾が婚姻の権利の平等化を推し進めた様子をまとめた90秒の映像は同性婚を合法化している多くの国の大使など、出席していたゲストの多くから高い評価と賞賛を得た。
司法院大法官は先ごろ同性婚に関する憲法解釈を行い、法律は同性パートナーの関係を保障しておらず、憲法の保障する婚姻の自由と平等の権利に違反していると判断した。これにより中華民国(台湾)はアジアで初めて婚姻の平等な権利を保障する国家となる。ILGAのRenato Sabbadini執行長は台湾における法改正の過程に関心を寄せており、駐ジュネーブ弁事処による手配の下、台湾の関係者と会って意見を交わしたこともある。
ILGAは1978年に発足。台湾を含む132の会員を擁する。台湾も2015年にはアジア太平洋地区の年次総会を開催した。ILGAは2014年5月に本部をブリュッセルからジュネーブに移転、ジュネーブにおける国連の人権メカニズム運用にいっそう力を入れ、同性愛者たちが差別を受けないよう各国の政府が保障することを促している。