中華民国(台湾)の最高司法機関である司法院の大法官は5月24日、釈字第748号「同性の二人による婚姻の自由に関する憲法解釈」を発表した。内容は、同性婚の自由を保障していない現行の民法を違憲とし、2年以内の法改正を求めるものだった。これを受けて行政院(内閣)の陳美伶秘書長は7日午前、省庁横断で取り組むプロジェクトチームを招集し、同性婚合法化に伴う法改正について話し合った。
陳美伶秘書長によると、行政院は各省庁に対し、498項目の関連法を改正するよう提言した。内容は長期介護に関する法案、刑事訴訟法、緩和ケアに関する「安寧緩和医療条例」などの、同性婚の合法化が第三者の権益に関与しない部分についてで、これらの法律を同性パートナーに適用することについて順次検討していく。
また、プロジェクトチームは現在の各地方自治体における同性パートナーシップ制度の利用状況についても確認した。それによると、5月末の時点で、台北市(台湾北部)や高雄市(南部)など11の県と市がすでに同性パートナーシップ制度を導入。内政部(日本の省レベル)が5月26日、同制度をまだ導入していない県と市に書簡で問い合わせたところ、6月6日の時点で新竹市(北部)、苗栗県(北西部)、南投県(中部)、屏東県(南部)、金門県(金門島)、連江県(馬祖島)の6つの市と県がこれから同制度を導入すると表明。残る花蓮県(東部)、台東県(南東部)、雲林県(中部)、基隆市(北部)、澎湖県(澎湖島)の5つの県と市は、同制度の導入意思を示していない。これらの県と市が今後も同制度の導入を表明しない場合でも、内政部は今年7月初旬以降、近隣の県や市に協力を依頼し、自治体を越えて登録を行うことができるようにする。
台湾でこれまで行われていた同性パートナーシップ制度は、自治体レベルでの登録を採用していた。このため、その資料は戸籍担当者のみ閲覧可能で、申請者がすでにほかの自治体で同性パートナーシップ制度を利用しているかどうかを調べることはできなかった。また、戸籍を移転させる場合でも、同性パートナーシップ登録を他の自治体に動かすことができなかった。
内政部では近くシステムを更新し、7月初旬以降は自治体を越えて同性パートナーシップ登録の有無を検索したり、同制度の利用者が戸籍を他の自治体に移した場合、同性パートナーシップ登録の内容も共に移動させたりできるようにするという。