世界医師会(World Medical Association:WMA)の年次総会がこのほど米シカゴで開催された。「台湾医師会(Taiwan Medical Association)」を代表して総会に出席した中華民国医師公会全国聯合会の王必勝秘書長によると、中国大陸の「中国医師会」は今年の総会でも、「1つの中国」原則に基づき、「台湾医師会」に対して「中国台湾医師会(Taiwan, China Medical Association)」への名称変更を求める提案を行った。この提案は総会で否決されたものの、「中国医師会」は世界医師会に対し、これに同意しない場合、2021年に北京で開催予定の年次総会をボイコットする意向を示しているという。
外交部(日本の外務省に相当)の李憲章報道官は15日、中央通訊社の取材に対し、今年4月にアフリカのザンビアで世界医師会の理事会が開催された直前にも、中国大陸の「中国医師会」が世界医師会に対して「台湾医師会」の名称変更を求める提案を書面で行ったが、理事会で否決されたと説明。李憲章報道官は、世界医師会の理事会による決議に感謝していること、今後も世界医師会が政治的要因による干渉を受けず、医療や健康など重要課題の解決に専念し、そして「台湾医師会」の積極的な参与や貢献を評価するよう期待するという外交部の立場を述べた。外交部はまた、名称を変更しないとする「台湾医師会」の立場を支持し、今後も「台湾医師会」がその名称を維持できるよう協力すると述べた。
李憲章報道官は、台湾の非政府組織(NGO)が医療、公衆衛生、人権、環境保護などさまざまな領域で専門能力を発揮し、その成果を挙げていることは、国際社会が認めるところだと指摘。外交部は今後もこうした非政府組織と共に努力し、非政治的で機能的目的を趣旨とするあらゆる国際組織がその専門性に立ち戻り、台湾が世界の重要な課題に実質的に取り組み、貢献できるようにしていきたいと述べた。