ドイツのミュンヘンに本部を置くウェブサイト「インターネイションズ(InterNations)」は6年前から毎年、「エクスパット(海外駐在員)」にとって住みやすい/働きやすい海外居住地をまとめた「エクスパット・インサイダー(Expat Insider)」を発表している。この調査で台湾は今年、再び1位に返り咲いた。
今年も2万人を超える海外駐在員から、世界64カ国・地域の生活のクオリティ、個人の財務、雇用の状況、適応性の難易度、生活のコスト、家庭生活など各方面について評価回答を得た。その結果、台湾は最も高い点数を獲得した海外居住地となった。台湾は2016年に1位となったことがあるが、2017年は4位、2018年は2位となっていた。
台湾がその他の国より優れている点としては、医療費負担が低いことが挙げられた。回答者の89%が、台湾の医療費負担に「満足」と回答した。これは、世界平均の55%を大きく上回る。また、医療のクオリティについても評価が高く、「満足」が92%に達し、こちらも世界平均の65%をはるかに上回った。
生活のクオリティについても台湾は高く評価され、ポルトガル、スペインに次ぐ3位となった。個人の安全・セキュリティでも96%が「満足」と回答し、世界平均の81%を上回った。生活への適応についても78%が「難しくない」と回答し、こちらも世界平均の59%を上回った。また、88%が「台湾人は全般的にフレンドリーだ」と考えており、これも世界平均の68%を大きく上回った。外国人の雇用状況についても海外駐在員の評価は高く、台湾の順位は世界2位だった。「満足」の回答は65%で、世界平均の55%を上回った。但し、台湾で生活する際の唯一の障害は現地の言語を学習することのようで、52%が言語の習得が困難であると回答した。
イギリスの日刊紙『デイリー・テレグラフ』は南アフリカ出身のエクスパットが調査に協力したときに述べた言葉として、「台湾人は非常に喜んで人助けをするし、他人のために考えてくれる」というコメントを引用して紹介した。また、カナダ出身のエクスパットは「台湾にいると、自分の居場所を見つけたような感じになる。このフレンドリーな島国で、自分は平和と愛と健康を見つけた」と話したという。
「インターネイションズ(InterNations)」の創設者で、共同最高経営責任者(CEO)のMalte Zeeck氏は、「台湾は我々のこれまでの調査において、いつも優れた評価を受けてきた。台湾の強みと言えば、医療のクオリティの高さと医療費負担において、それを超える国がないということだ。台湾を調査対象に加えて以来、この傾向はずっと続いている」と述べている。
「エクスパット(海外駐在員)」が選ぶ2019年の住みやすい/働きやすい居住地(The Best Destinations to Live and Work in 2019)のランキングは以下のとおり。
1位 台湾
2位 ベトナム
3位 ポルトガル
4位 メキシコ
5位 スペイン
6位 シンガポール
7位 バーレーン
8位 エクアドル
9位 マレーシア
10位 チェコ