2024/12/27

Taiwan Today

経済

今年の総統教育賞、多数の新住民子女が受賞

2016/08/03
2016総統教育賞の授賞式に出席した蔡英文総統(左から2人目)は、56人の受賞者を表彰、激励した。(中央社)

2016総統教育賞の授賞式が2日に行われた。56人の受賞者の中には、「新住民」と呼ばれる、台湾の男性と結婚して台湾に移住した、中国大陸や東南アジア出身の母親を持つ子供たちが多く含まれた。多元的な文化の中で努力を重ねて学び、逆境を乗り越えてきた結果といえる。

新住民家庭では、貧困の問題を抱えていることが少なくない。また、父親と母親が言語や文化の違い、人種差別などの要因から、一般の台湾の家庭のように子供への教育を行うことができないことがある。しかし、近年、中華民国政府は、「新南向政策(東南アジアやインドとの交流を深める政策)」を推進していることから、新住民の子女が持つ多元的な背景やその言語能力などの優位性が重視されるようになっている。

総統教育賞を受賞した遠東科技大学(台湾南部・台南市)の学生、林秉澄さんは、フィリピン籍の母親を持つ。父親が自動車事故に遭遇したことで仕事ができず、家庭の経済状況は厳しかった。また、林さんは幼少のころ、中国語の発音が標準でないことで、クラスメートにからかわれた経験も持つ。しかし、林さんの母親は、このような背景の中、一家の家計を一手に担い、林さんがメイクやヘアスタイリングを専門的に学べるよう後押しした。その結果、林さんは多くの資格を取得し、国際コンテストでも数々の賞を受賞している。

さらに、林さんは社会への恩返しの気持ちを忘れず、慈善団体が主催するヘアカットのボランティア活動にも参加している。林さんを指導した教師は、林さんについて、「学業優秀な上、品格も兼ね備える明るい学生。彼は自立すること、他人に頼らないことこそ、苦境に打ち勝つことができると確信している」とほめ称えた。

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