蔡英文総統は10日、「農田水利会(日本の土地改良区に相当)」の会長及び2016年度の「模範水利小組組長(チームリーダー)」の代表と会見した。蔡総統はあいさつの中で、「農田水利会」の主な仕事は灌漑用水の配分と農地における水利施設の維持管理であり、地球規模の気候変動による極端気象現象の発生頻度が高まる中、「農田水利会」にとっての課題もますます大きくなっていると指摘した。
蔡総統は、ここ10年の統計資料では、雨の多かった年と少なかった年の降雨量の差が2,000ミリに達する他、「大豪雨(24時間に350ミリ以上の雨)」と「強降雨(短時間強雨)」の発生回数もますます増えていると説明。その上で、灌漑は農業の発展にとって重要なカギであり、政府は水利施設の新設と修繕を継続し、水利会が現代化された灌漑管理システムと技術を利用できるようにして農業用水の管理と使用効率の向上を目指すと述べた。
蔡総統はまた、灌漑用水の水源の品質は高品質な農作物を育てる上で重要な要素の一つだと指摘。おいしくて安全な農作物は、農業用水の水質管理の継続的な強化にかかっており、これは食品を「農場から食卓まで」安全に保つための最も川上の任務であると述べた。
蔡総統は、台湾の新たな農業を実現するには「水利チーム」の協力が必要で、特に「農田水利会」の会長及び「水利チーム」のリーダーたちは末端で力を尽くし、農家をサポートする重要な役目を果たしていると評価、「農田水利会が農家と意思疎通するための理想的な架け橋となり、よりスムーズなコミュニケーションが実現するよう、そして政府により多くの農家の声を伝えてくれるよう期待する」と述べた。