蔡英文総統は11日、台湾南東部・台東県東河郷都蘭村にある先住民族の集落を訪れてアミ族の人々と座談会を開催した。蔡総統は、先住民族の問題解決は自分が背負うべき歴史的課題だと指摘し、「道のりは険しいが、私は進んでいく」と決意を新たにした。
先住民族の声に耳を傾けるという約束を実現するため、蔡総統は11日、先住民族行政を所管する行政院原住民族委員会(日本の省レベル)の職員のほか、先住民族出身の立法委員(国会議員)である陳瑩議員、廖国棟議員、Kawlo Iyun Pacidal議員、Kolas Yotaka議員、それに台東県選出の劉櫂豪議員(台湾第二のエスニックグループ、客家(ハッカ)出身)と共に、台東県東河郷都蘭村を訪れてアミ族の人々と会談した。
蔡総統は、「これまでの政府は様々な法令を作ってきたが、先住民族こそがこの土地の主人であることを軽視し、先住民族への配慮を怠ってきた。このため民進党政権は2005年、『原住民族基本法』を制定して先住民族の土地、文化、言語を保存しようとしたが、漢民族が台湾を支配するようになってからすでに400年が経過しており、現実には様々な困難があった」と説明した。
蔡総統はまた、「将来的には先住民族が主体となって歴史問題の解決方法をまとめることを期待しているが、それは困難を伴う極めて大きな作業であり、これまでに立法委員や政府関係者たちが取り組んできたものの、解決には至らなかった。このため今回は、総統である自分が自ら全国国民と一丸となって取り組むことにした。これは歴史的責任であり、自分が背負うべき歴史的課題でもある」と語った。
蔡総統はさらに、「困難だからといって、取り組まないわけにはいかない。先住民族の集落に入り込み、すべての集落の人たちの問題に耳を傾けたい」と強調した上で、「私たちに機会を与えてほしい。この道のりは険しいが、私は進んでいく。皆さんも私と共にまい進してほしい」と呼び掛けた。