総統府の黄重諺報道官は8月31日、台湾海峡両岸の窓口機関、台湾の海峡交流基金会(海基会)の董事長(会長)に、元外交部長(外相)の田弘茂氏を内定したと発表した。田弘茂氏は現在、民間のシンクタンク、財団法人国策研究院文教基金会の董事長を務めており、これまでに総統府国策顧問、外交部長、台北駐イギリス経済文化代表処代表(イギリスにおける中華民国大使に相当)を歴任している。
黄重諺報道官によると、田弘茂氏は米国留学期間中及びその後の教職員時代に中国大陸研究を行っており、中国大陸の発展に対して深い理解を持つ。同時に台湾海峡両岸関係及びアジア太平洋地域戦略等の分野にも精通し、さらには台湾の民主化運動や台湾の国際組織への参与にも力を尽くしてきた。
田弘茂氏はまた、台湾を代表する経済団体「中華民国全国工業総会」の最高顧問を務めていることもあり、台湾の各産業のためにたびたび、台湾海峡両岸及びアジア太平洋地域情勢についての分析や提言を行っている。経済界との関係も良好で、産業発展のニーズに対する理解もある。
黄重諺報道官は、「中華民国政府は田弘茂氏の専門知識と経験を借用し、田弘茂氏が海基会のリーダーとして中国大陸に進出する台湾企業のためにビジネスチャンスを切り開き、問題を解決し、そして台湾海峡両岸の交流と関係を活性化してくれることを期待する」と述べた。