蔡英文総統は4日、青年たちは自らの人生のある段階において、単なる就業者ではなく、創業者を目指すべきだと述べ、創業者になった場合は労働者を大切にすべきで、そうしてこそ、現在台湾が直面している労働者問題を根本的に解決できるとの見方を示した。
教育部(日本の文科省に類似)は4日、「2016年青年政策フォーラム全国会議」を開催し、約100人の青年代表が参加。蔡英文総統、並びに教育部の潘文忠部長(大臣)ら各省庁の首長がこれら青年代表と交流した。
蔡総統は、現在の労働環境が社会の期待を満たしていない主な原因は、産業の変革が完了していないことにあると指摘。蔡総統は、台湾でかつて、人々に働く機会を提供する企業が多くなかった時代、あらゆる階層に創業者がいたわけで、そうした創業者が台湾経済の原動力を生み出していたと説明、今もまた、そうした創業者がより多く現れ、経済の変革をリードしてくれることが待たれているのだと強調した。
蔡総統は、今の逆境を乗り越えるため最も重要なことは、皆が「就業者」であることを目指すのではなく、勇気を持って「創業者」になろうとすることだと主張、政府はそうした起業のリスクを抑えられるよう協力する責任があると指摘した。蔡総統はまた、若者は失敗が許されるとした上で、「価値のある失敗」は起業家の社会で尊ばれ、若い時の失敗は多ければ多いほど価値があり、資産が蓄積されると考えられていると説明、若者の多くは失敗を恐れて踏み出せないが、それは我々が問題に向き合う時にあるべき姿ではないと訴えた。