経済部(日本の経産省に相当)はファスナー(ねじ・ボルト・ナット)産業の「NICEレベルアップ変革計画」を推進、顧客名義での受託生産を主とする現況の転換を目指している。経済部では、輸出単価を昨年の1キログラムあたり83台湾元(約267日本円)から、2025年には約二倍の170台湾元(約547日本円)に引き上げ、輸出金額も1,296億台湾元(約4,175億日本円)から2,000億台湾元(約6,443億日本円)に増やせることを目標としている。
ファスナー産業の「NICEレベルアップ変革計画」とは、隙間市場向け製品(Niche Product)、インテリジェント設備(Intelligent equipment)、プロフェッショナルな職員(Competent Workers)、グリーンプロセス(Eco-friendly process)の四つの面で産業のレベルアップを支援していく政策。
台湾でファスナー産業に従事する企業は1,455社。そのうち半数近くは台湾南部に位置し、主には台南市と高雄市に集中している。経済部工業局の資料によれば、昨年のファスナー産業の生産額は1,393億台湾元(約4,487億日本円)で、輸出が93%を占める。輸出先では米国が37%、EU(欧州連合)が33%となっている。
工業局によると、昨年、台湾はファスナー製品の輸出で世界3位。近年は製品のレベルアップが徐々に進んでおり、従来の一般用ねじ、ボルト、ナットから今では自動車、レール、航空、医療器材などに使用する高単価の製品へと転換を遂げつつあるという。
工業局では、レベルアップと変革を指導して成功した業者のケースを向こう5年以内に100件へと積み上げることで、業者による100億台湾元(約322億日本円)の投資を促す。さらには20社以上の業者を指導し、高付加価値の応用産業としてグローバルな共同開発システムに加われるようにするなどして高付加価値の製品比率を高めていく。そして、ファスナー産業の輸出単価を昨年の1キログラムあたり83台湾元から、2025年には170台湾元に引き上げ、輸出金額も1,296億台湾元から2,000億台湾元に増やせることを目指すという。