「薪伝歌仔戯劇団」は、「歌仔戯」をより繊細で洗練されたものにすることを原則及び理念に掲げ、この台湾の伝統文化の推進と伝承に力を入れている。文化部(日本の文部科学省に類似)、外交部(日本の外務省に相当)、台北市文化局(台湾北部・台北市)の助成を受けて今回、日本公演を行うことになった。日本公演は、8日に開催された東京・浅草公会堂のものと、今月11日に石川県の加賀市文化会館で開催されるものの2回で、いずれも演目は『李三娘』となる。
すでに80歳を超える廖瓊枝さんは、「東洋で最も美しい詠唱」と称えられる歌声を持つ。8日の東京公演では『李三娘』の上演前、「歌仔戯」の役柄のうち「苦旦」と呼ばれる、運命に翻弄されて苦労する女性を描いた作品の代表的演目『王宝釧』のクライマックスシーンを特別に披露した。台湾の最も代表的な伝統舞台芸術の繊細な再現に、会場から大きな拍手が送られた。
会場に設置された画面には日本語字幕が表示され、日本の観客も字幕を通して演目の内容を理解することができた。日本劇場技術者連盟の斉藤譲一理事長は公演終了後、「公演のレベルは非常に高く、自分の想像をはるかに超えていた。日本語字幕があったので分かりやすかった」と感想を述べた。