蔡英文総統は20日、日本の野党・民進党の長島昭久衆院議員による表敬訪問を受けた。蔡総統は、台湾出身者を父に持つ蓮舫参院議員が民進党の党代表に当選したことを祝福すると共に、「適切なタイミングを見計らって日本と協力し、中華民国政府が推進する『新南向政策(東南アジアやインドなど18ヶ国との各分野における関係強化を目指す政策)』の一部の計画を共同で実施したい」と語った。
蔡総統は、中華民国政府が積極的に推進する「新南向政策」は、台湾が本来持つ優位性を活用し、東南アジアや南アジア地域の国々との交流を強化し、これらの国々との経済や貿易関係を深めることが目的だと説明。「日本はこの方面で豊富な経験を持っている」とした上で、日本と意見を交換し、且つ適切なタイミングを見計らって、「新南向政策」の一部の計画を共同実施したいと提案した。
蔡総統はこのほか、台湾は農業分野でも東南アジア地域への投資を行い、これらの地域の内需市場向けに商品を提供したり、ひいては世界各地へ向けて輸出したりすることも可能だと指摘し、将来は日本企業とこの分野でも協力し、共に市場を開拓していきたいと述べた。
蔡総統はさらに、地域経済統合に深く関わるため、中華民国政府は「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」及び「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」への参加を積極的に目指していると説明。日本の政府や民間による長期にわたる台湾支持に感謝すると共に、台湾がTPP第2ラウンド拡大交渉に参加できるよう支持の継続を期待すると述べた。
蔡総統はまた、台湾と日本の経済連携協定(EPA)締結に向けて、双方がなるべく早く交渉に着手し、双方の経済・貿易分野における協力関係を強化できるよう強く願うと述べた。
日本の民進党は今月15日に党代表選挙を実施。台湾出身者を父に持つ蓮舫参院議員が当選した。蔡総統はこれを祝福すると共に、長島議員に対して「今回の党代表選挙に参加したすべての候補者に対し、祝福のメッセージを伝えてほしい」と伝言を依頼した。