2024/12/27

Taiwan Today

経済

台湾の人工関節登録制度、アジア初

2016/10/05
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)中央健康保険署では人工関節登録制度を推進し、不具合のあるインプラントに関する警告情報を提供し、患者の負担を軽減している。中華民国(台湾)は、アジアで初めて人工関節登録制度を実施した国だという。(中央社)

関節の退化に伴い、人工関節(インプラント)を体内に取り込まなければならない可能性がある。しかし、インプラントや手術の質によっては、数年後に再置換術を受けなければならない場合もある。衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)中央健康保険署では人工関節登録制度を推進。これにより不具合のあるインプラントに関する警告情報を提供し、患者の負担を軽減している。中華民国(台湾)は、アジアで初めて人工関節登録制度を実施した国だという。

人口関節登録制度は、1979年に北欧のスウェーデンで始まった。現在、北欧四ヵ国、ニュージーランド、オーストラリア、英国など20か国で実施されている。そのうち英国は10年前に開始し、現在では世界最大の人工関節登録制度のデータベースを構築している。アジアでは現在、台湾が唯一、人口関節登録制度を実施している。

衛生福利部中央健康保険署の統計によると、台湾の膝関節置換術を受けた患者のうち、1年後に再置換術を受ける必要が生じる患者は全体の0.6%で、5年後の再置換率は2%となっている。

秀伝医療体系の古鳴洲副総裁によると、人工関節登録制度の実施により、どの医療機関が頻繁に置換術を行っており、どういったインプラントは術後の経過が良くない、などの情報を得ることができるようになっている。登録によって情報が公開されることで、今後再び治療が必要になった場合も、医師が前回の手術内容を把握することができるため、手術の手順を必要最小限に抑え、関連のリスクを低減することが可能となる。

中央健康保険署の李伯璋署長によると、人工関節登録制度のデータベースの中から不具合のあるインプラントを発見した場合は、インプラントの見直しや淘汰を検討し、患者はより良いインプラントを使うことが可能となる。李署長は、「頻繁に再置換術を行う病院や医師がいたら特に注意を払う」と改善に決意を示した。

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