蔡英文総統は4日、米『ウォール・ストリート・ジャーナル』の取材を受け、台湾海峡両岸関係、台米関係、南シナ海の領有権を巡る問題などの質問に答えた。蔡総統は取材中、特に台湾海峡両岸関係について「約束も善意も変わらない」とした上で、「圧力に屈せず」に、なおかつ「(中国大陸との)対抗という、過去の路線を踏襲することもしない」と強調した。
蔡総統は台湾海峡両岸関係について、今年5月20日に行われた総統就任演説の内容は、中国大陸に対して最も柔軟性のある態度と善意を示しており、それと同時に台湾にとっての最大公約数を盛り込んだものだと説明。台湾の民主主義のメカニズムによって生まれる立場と判断を中国大陸が尊重し、5月20日直後の、双方が理性的で冷静な立場を維持しようと努力していたあの時期に立ち戻ることを望むと述べた。蔡総統はまた、現状を維持するという約束は変わらず、中国大陸に対する善意も変わらないとした上で、「われわれは圧力に屈せず、(中国大陸との)対抗という、過去の路線を踏襲することもしない」と強調した。蔡総統はさらに中国大陸に対して、「なるべく早くに腰を据えて話し合い、互いに納得できる解決方法を探し出そう」と呼び掛けつつも、「双方が有意義な会談を行うに当たって、政治的な枠組みの影響を受けることは望まない」と釘を刺した。