科学技術産業におけるアカデミー賞と称される「R&D 100 Award」の結果が台湾時間の4日早朝に発表され、台湾の6項目の技術が受賞。そのうち5項目は財団法人工業技術研究院(工研院、ITRI)によるものだった。工業技術研究院では特に、「アルミニウム電池」と「iSmartweaRセンサー衣料」の将来性に期待している。
経済部(日本の経産省に相当)技術処によるサポートの下、研究開発チームは6項目で受賞。内訳は、工業技術研究院による、運動と同時に心拍数や呼吸数など生体信号を計れ、また洗ったり、折り畳んだりすることも可能な「iSmartweaRセンサー衣料」、レーザープロジェクタ技術を利用し、自動車を運転する人の約2メートル前方に26インチの画面を浮かび上がらせることで運転者が進行方向から目をそらすことなく、ナビゲーションや左右の状況、渋滞状況などの情報を得られるようにする「自動車用遠距離マルチスクリーン・ヘッドアップディスプレイ(Long Distance Floating Multi-Screen HUD)」、下半身マヒの人の移動を可能にする「歩行補助ロボット」、グラファイトとアルミニウムを原料とし、高速充電と放電が可能で安全性も高く、大幅なコストダウンが可能だという「アルミニウム電池」、工作機械の作業を助ける「SpeedPro製造工程最適化ソフトウェア」。及び財団法人資訊工業策進会(III、トリプルアイ)による「ビジュアル化ガイドソリューション」。
受賞項目6つは、米国のマサチューセッツ工科大学、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーと並び、米国航空宇宙局(NASA)とゼネラルモーターズ(GM)を上回る好成績。台湾の科学技術が「R&D 100 Award」に選ばれるのは9年連続で、台湾における科学技術の実力とその成熟度の高さが示されたことになる。