台湾国家アイバンク(台湾国家眼庫:National Eye Bank of Taiwan)は7日、米国のアイバンク、SightLifeと協力覚書を交わした。向こう5年間、Sight Lifeは台湾におけるアイバンクに関する人材の育成と台湾国家アイバンクの国際的な認証取得に協力する。台湾アイバンクはアジアにおけるアイバンクのリーダーを目指すことに。
衛生福利部(日本の厚労省に類似)は臓器移植の質を高めるため、2013年より海外での国家型アイバンク設立経験とそのモデルを参考とし、国立台湾大学付属病院に「台湾国家アイバンク」の創設を委託。同アイバンクでは主に、全国での角膜検査、専門の技術スタッフ育成、角膜の提供・取得・検査・保存・輸送の標準作業手順の構築を担う。
台湾では従来角膜移植は海外からの輸入に頼っていたが、台湾国家アイバンクの胡芳蓉主任によると、輸入の割合は年々低下しており、2015年に行なわれた手術では台湾の人が提供した角膜を使用したケースが54%で、輸入の46%を上回った。今年1月から9月までの実績でも台湾の人が提供した角膜を使用したケースが75%を占めている。角膜移植の待機時間も年々短縮されているが、今もかなりの人が手術を待っており、需要が供給を上回る状態が続いている。
衛生福利部と台湾国家アイバンク、そして米国のSightLifeは7日に協力覚書に調印。衛生福利部の蔡森田常務次長(事務次官に相当)によると、今後SightLifeでの研修に人員を派遣する他、SightLifeもスタッフを台湾に派遣し、台湾国家アイバンクが国際的な認証を得られるよう協力する。蔡常務次長は、この協力関係を通じて、台湾国家アイバンクがアジアにおけるこの分野のリーダーとなれるよう期待している。