台北植物園(台湾北部・台北市)が開園120年となることから、18日より来年1月末まで園内の「欽差行台(清朝の時代の建物で、台北市の古跡に指定されている)」で、かつて入園者が撮影した150枚あまりの古い写真を展示している。同植物園で研究アシスタントを務める朱麗萍さんによると、フェイスブックで呼びかけたところ、多くの人たちから、感動的な物語が隠された昔の写真が相次いで寄せられた。
最も古いものは日本占領時代の1905年に温室で撮られた写真。異なる統治の時代を経た台北植物園は多くの人たちにとって「最初の思い出」の観光地でもある。初めてできた恋人とのデートの記念写真や結婚写真、そして子どもが生後1カ月を迎えて撮った写真などがある。
1953年に家族全員で撮った写真がある。写真の中の4人は正装し、台北植物園に出かけて初めての家族写真を撮った。手軽に携帯電話で写真や映像を撮影できる現在と異なり、当時カメラは大変高価でこの家族にはとても買えず、同植物園のカメラマンを利用して幸せな瞬間を写真に残した。
これらの古い写真は台湾の歴史も物語っている。かつて台北植物園に勤務した国立台湾大学の廖日京教授の残した写真は、1950年から1965年までの、米国による協力で台米合同で設立した「中国農村復興聯合委員会」の時代を象徴するもので、米国の顧問が台湾を訪れ、台北植物園を参観した際に撮られた歴史的な場面だという。