2024/12/27

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蔡総統、英『エコノミスト』誌に寄稿

2016/11/28
蔡英文総統は、英国の週刊新聞『エコノミスト(The Economist)』が今月発行した臨時特別号『The World in 2017』に、「Turning Taiwan into a tiger again(再起する台湾)」と題する文章を寄稿した。(総統府サイトより)

蔡英文総統は、英国の週刊新聞『エコノミスト(The Economist)』が今月発行した同誌の臨時増刊号《The World in 2017(2017世界はこうなる)》に、「Turning Taiwan into a tiger again(再起する台湾)」と題する文章を寄稿した。蔡総統は、台湾の経済、社会、政治の構造改革と再建を通して、社会の基本的なセーフティーネットワークを固め、民主主義と透明性の高い文化を維持する考えを示した。

蔡総統は、2017年の経済計画の展望として、産業のレベルアップと景気低迷の打開に焦点を当てることを挙げた。政府は、技術革新、雇用の創出、そして経済成長が少数の人だけでなく、すべての人々の利益をもたらすという考えに基づいた、より包括的な経済モデルに立脚して経済政策を推進する考え。

蔡総統によると、台湾は成熟した産業クラスター、高い研究・開発能力、柔軟に対応可能な中小企業といった優位性を活かし、バイオ医薬品、モノのインターネット(IoT)、グリーンエネルギー、国防、スマート機械などの産業の育成に資源を投入することで「将来、世界経済でより競争力を持つ」ことができると考える。また、高い成長が期待されるこれら5大新興産業に加え、「循環型経済」と「新農業」の推進を加えた「5+2産業」が経済政策の骨格を形成することになる。

蔡総統はまた、台湾のビジネス環境の改善に向けて努力することを約束。これには、技術革新の推進による外資の誘致、地方の資本市場の整備、起業家やスタートアップを支援するための人的資本の配分に対する見直しなどが含まれる。

国際関係について蔡総統は、政府の「新南向政策」を説明。これは、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国、南アジア、オーストラリア及びニュージーランドとの農業、ビジネス、文化、教育、観光、貿易分野での関係を深めるものだと指摘。また、その優先事項の1つとして、台湾と東南アジアの人的往来と人材の流れの強化を挙げた。

蔡総統はさらに「台湾はすでに多国間貿易システムに入るための準備を整えている」と指摘。その具体的内容として、行政手続きの簡素化、投資規制の合理化、知的財産権の保護強化などを挙げた。また、重要な貿易パートナーとの二国間貿易協定の締結に関する作業も進行させていることも明らかにした。

一方で蔡総統は、「これらはすべて、この地域の安定なしに達成することはできない」と指摘。「アジア太平洋地域に平和と繁栄の枠組みを構築するため、中国大陸を含むすべての利害関係者との対話を模索する。私たちの台湾海峡両岸政策は、既存の憲法・政治的枠組みの下、一貫性のある、予測可能且つ持続可能な両岸関係を確立することにある」と説明した。

蔡総統はその他の優先事項として、台湾の公的年金制度の見直しと、より手ごろな家賃で入居可能な公営住宅の提供、「長期介護計画2.0」の全面的な実施などを列挙。その狙いは、台湾にある数千のコミュニティセンターを通じて、高齢者や障害者が医療介護を受けやすくし、その質を向上させることにあると説明した。

蔡英文総統は現在、与党・民主進歩党の党主席を兼任。今年5月、中華民国(台湾)初の女性の総統となった。蔡総統が率いる民主進歩党は、今年1月に行われた立法委員(国会議員)選挙で、立法院(国会)における初の単独過半数の議席を獲得している。

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