タイを代表する研究機関、タイ国立開発行政大学院大学(National Institute of Development Administration、略称NIDA)のPradit Wanarat学長が11月上旬に訪問団を率いて台湾を訪問したのに続き、同月下旬にはタイのタンマサート大学(Thammasat University)のSomkit Lertpaithoon学長及びPornchai Tarkulwaranont副学長ら一行9人が台湾を訪問した。東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどとの関係強化を目指す「新南向政策」の効果が現れつつある。
教育部(日本の文部科学省に類似)国際及び両岸教育司の楊敏玲司長は11月25日、教育部を代表して、タイのタンマサート大学のSomkit Lertpaithoon学長と会見。双方は、中華民国政府が推進する「新南向政策」について意見を交換し、この政策が台湾とタイの学術・教育交流にメリットがあること、且つ持続的な発展が可能だという見方で一致した。
タンマサート大学は1900年創立された、タイでは2番目に古い大学。同大学の学長一行は11月23日から26日までの日程で、教育部の招きを受けて台湾を訪問していた。
Somkit Lertpaithoon学長によると、同大学は2017年初旬に「国際工学シンポジウム」を開催する予定で、すでに国立交通大学(台湾北部・新竹市)、国立台北科技大学(台湾北部・台北市)、国立台湾大学(台北市)に参加を要請している。また、国立中山大学(台湾南部・高雄市)を訪問した際は、2017年以降、中山大学の海洋科学研究センター及び東南アジア研究センターと提携し、教員や学生の相互訪問や交換を進めたいと申し出たという。さらに、国立政治大学(台北市)との交流については、ASEAN(東南アジア諸国連合)研究領域にターゲットを絞り、例えばタンマサート大学に在籍する学生が、タイで2年半学んだあと、国立政治大学に留学して残りの1年半の課程を履修し、両大学の学士学位を取得するというダブルディグリー留学制度を実施することを検討している。
なお、タンマサート大学のPornchai Tarkulwaranont副学長は、タイ工業省の副大臣を兼務している。