行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は5日、台湾の農産品や農業資材の輸出などを担う「台湾国際農業開発股份有限公司(=株式会社)」を設立した。同社の陳郁然董事長(会長)は、質・量ともに安定した「規模の経済」を達成することで、農産品の輸出に力を入れることができると述べた。今後はライチ、バナナ、インドナツメ、パイナップル、アテモヤ(パイナップルシャカトウ)、グアバなどの果物を輸出強化の対象とする。中でもバナナは最重要項目となる。
行政院農業委員会の曹啓鴻主任委員(大臣)は、「台湾の農業は、非常に恵まれた条件を持っている」と指摘した上で、生産、集荷、そしてマーケティングを統括することで、台湾の農業をさらに発展させることができるよう期待を寄せた。
陳郁然董事長は、「台湾はかつてバナナの輸出が盛んだったが、台湾では四季を通してバナナが手に入るために、多くの台湾住民が欧米を含む海外市場でバナナがどれほど重要なものか認識していない。バナナは欧米市場では非常に重要な農作物だ」と述べた。
行政院(内閣)の林全院長(首相)はあいさつで、「台湾の農業は工業の発展を促し、外交においても重要な役割を果たしている。台湾国際農業開発公司の重要な任務は、台湾の農業を近代化することにある」と激励した。
林院長はまた、「台湾国際農業開発公司はスマートテクノロジーを含む新たな農業経営の手法を台湾に導入し、そして台湾の農業を海外に出していかなければならない。生産と販売のサプライチェーンを統合し、台湾というブランドでこれらを輸出し、且つより多くの若者が農業の世界へ足を踏み入れるようにし、『新農業』を作り上げてほしい」と期待を寄せた。
台湾国際農業開発公司には、「農産品の輸出入」、「農業技術の輸出」、「海外への投資と農業資材の輸出」の3項目の任務が課せられている。