2024/12/26

Taiwan Today

経済

農業委員会が「新南向農業」を推進、4カ国と協力へ

2016/12/09
台湾の農産物の対外的な販売先が中国大陸に集中することを避けるため、行政院農業委員会が「新南向農業」政策を提示した。写真中央は同政策を説明する曹啓鴻・主任委員(大臣)。(中央社)

台湾の農産物の対外的な販売先が中国大陸に集中することを避けるため、行政院農業委員会(日本の農水省に相当)は8日の閣議で「新南向農業」政策を提示した。2020年までに「新南向政策」の対象国のうち4カ国との全面的な農業協力を実現する。農業委員会の幹部職員は、この4カ国がベトナム、タイ、ミャンマー、インドネシアとなる可能性を示唆。「新南向政策」とは、東南アジア並びに南アジア、ニュージーランド、オーストラリアなど18カ国との関係を深める政策。投資・貿易面での関係のみならず、民間交流、文化、教育など多面的なパートナー関係の構築を目指す。

 

林全行政院長(首相)はこの閣議で、新農業は蔡英文総統が提示した「五加二(5+2)」産業イノベーション政策のうちの重要な一つで、新農業の推進は台湾経済の未来の発展にとっても非常に重要な柱だと強調した。「五加二」産業イノベーション政策とは、五大イノベーション産業(アジアのシリコンバレー・スマート機器・グリーンエネルギー・バイオ医療・国防産業)に新農業と循環型経済を加えたもの。

 

農業委員会の提示した「新南向農業」政策は、「新南向政策」対象国との農業面での投資と、パッケージとしての農業輸出を通じて農業のビジネスチャンスと台湾経済への貢献を拡大する。目標としては、2020年までに4カ国との全面的な農業協力を実現し、農業に携わる企業がこれらの国々で、協力のモデルとなる農場を10カ所以上設置できるようにする。

 

また、重点的な政策として農家の収益を安定させることも挙げられており、専業農家と新たな農家の1世帯としての所得を毎年10%増やし、4年後には180万台湾元(約641万日本円)にできることを目標とする。2015年の実績は120万台湾元(約427万日本円)だった。農業委員会はまた、台湾国際農業開発株式会社を設立しており、4年後の売上げ目標は42億台湾元(約149億日本円)、8年後は100億台湾元(約356億日本円)を目指す。

 

費用対効果について農業委員会は、来年から4年間に1,230億台湾元(約4,380億日本円)を投じることで、食料自給率を40%に引き上げ、農業の生産額を約434億台湾元(約1,545億日本円)増やし、延べ37万人分の雇用機会を創出すると共に、農産物の対外輸出のうち、新興市場向けの割合を57%に増やせるものと見込んでいる。

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