2017年の元日には多くの新制度が施行された。行政院(内閣)は今年施行される各省庁の32大政策をまとめて公表した。32大政策は以下の通り。
1、新たに4月7日を「言論自由の日」に制定。(内政部=日本の省レベルに相当)
2、香港・マカオ住民が客船で台湾にやってくる場合の入境許可オンライン申請手続きの簡素化。(内政部)
3、「後備戦士(義務兵役を終えた人で、週末に志願して軍事訓練を受ける人。年間29日間、兵営に入る)」の試験実施。(国防部=日本の防衛省に相当)
4、新婚、もしくは子女を養育する若者を対象とした住宅購入優遇ローンの実施期間延長。(財政部=日本の財務省に相当)
5、2017年度総合所得税の税制調整。(財政部)
6、海外との電子商取引に関する営業税課税。(財政部)
7、海外からのオンラインショッピングの関税に関する税制の調整。(財政部)
8、台湾・日本租税協定の適用。(財政部)
9、台湾・カナダ租税協定の適用。(財政部)
10、幼児教育の公共化拡大。(教育部=日本の文科省に類似):2017年から2020年までに、公共の「幼児園(幼稚園と託児所が統合した施設)」を1,000クラス増やし、同「幼児園」で学ぶ子どもの割合を現在の30%から40%に引き上げる。
11、青年教育と就業貯蓄口座。(教育部):2017年8月より3年間試験的に実施する。高校、高等職業学校の卒業生が対象で、毎年5,000人に毎月1万台湾元(約3万6,000日本円)を積み立てる。3年後には36万台湾元(約130万日本円)を全額引き出せる。
12、最高法院(裁判所)検察署特別捜査チームの廃止。(法務部=日本の法務省に相当)
13、タクシー運転手の資格制限。(交通部=日本の国交省に類似)
14、国際線航空機の着陸料と停留料の料率引き下げ。(交通部)
15、桃園メトロ空港線の開通。(交通部)
16、基本賃金(最低賃金)の調整。(労働部=日本の厚労省に類似):1月1日より、月額基本賃金は2万8台湾元(約7万2,178日本円)から2万1,009台湾元(約7万5,789日本円)に引き上げる。時給の基本賃金は126台湾元(約454日本円)から133台湾元(約479日本円)に引き上げる。162万人がその恩恵を受けると見込まれる。
17、全国の「国定休日」の一致及び労働者の「特別休暇(有給休暇)」の新規定実現。(労働部):公務員の「国定休日」は11日間。労働者は12日間(メイデー分が1日多い)とし、857万人がその恩恵を受ける。「特別休暇」の新規定では、就業して満半年の場合は「特別休暇」が3日間、1年以上は7日間、2年以上で10日間、3年以上で14日間、5年以上で15日間、10年以上は毎年1日上乗せされる。最高で30日間。
18、労働保険の料率の10%から10.5%への引き上げ。(雇用保険含む)(労働部)
19、国民年金保険の料率の8.5%への調整。(衛生福利部=日本の厚労省に類似)
20、全民健康保険の保険金額下限を2万1,009台湾元(約7万5,789日本円)に修正。(衛生福利部)
21、長期介護十カ年計画2.0。(衛生福利部)
22、食品の安全性管理措置の強化。(衛生福利部)
23、児童及び少年の性搾取防止条例の施行。(衛生福利部)
24、児童及び少年の未来の教育及び発展専用口座。(衛生福利部):2017年より、低所得世帯、中低所得世帯及び長期にわたって養護施設などで暮らす児童を対象に教育発展専用口座を設置。保護者は子女1人のために最高で年間1万5,000台湾元(約5万4,112日本円)を貯金、政府も1万5,000台湾元を拠出し、合計3万台湾元(約10万8,225日本円)を同口座に積み立てる。1年で1万人をサポートする。
25、2017年度のサイエンス工業パークにおける土地賃料の優遇。(科技部=日本の省レベルに相当)
26、環境保護署毒物及び化学物質局の設立。(行政院環境保護署=日本の環境省に相当)
27、畜産業の水質汚染防止費徴収。(行政院環境保護署)
28、農業保険に関する各種計画の試験実施。(行政院農業委員会=日本の農水省に相当)
29、資本金50億台湾元(約180億日本円)以上、100億台湾元(約360億日本円)未満の上場(店頭公開)企業に対し、「企業の社会的責任報告書(CSRレポート)」の作成を義務付ける。累積赤字を持つ企業は2019年から適用される。(金融監督管理委員会=日本の省レベルに相当)
30、台湾の指数連動型ETF(上場投資信託)について、運営会社と参加者(証券会社)との間の現金による売買を認める。(金融監督管理委員会)
31、海外送金者に対する審査。(金融監督管理委員会)
32、心身障害者によるATMを通じた他の金融機関からの現金引き出しに対する優遇などの金融管理。(金融監督管理委員会)
また、2017年に実施される予定の簡素化措置の重点は以下の通り。
1、営利事業電子帳簿のアップロード用プラットフォームの開設。(財政部)
2、非居住者のための源泉徴収票のオンライン申告作業の増設。(財政部)
3、遺失した、特別許可(特許)や商標に関する公文書のインターネットでの再度ダウンロードを可能にする措置。(経済部)
4、兵役適格者が短期の出国をする場合のオンライン申請と速やかな許可。(内政部)
5、義務兵役を終えた「後備軍人(在郷軍人)」の、兵役終了に関する資料の情報化と伝送。(内政部)
6、行政機関の補助経費審査作業の簡素化。(社会福祉補助の実施を先行)(国家発展委員会=日本の省レベルに相当)