米カリフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine)土木環境科学学科で教鞭をとる台湾出身の徐国麟(Kuo-lin Hsu)教授がこのほど、雨量を予測する全く新しい携帯電話用アプリ、「iRain」の開発を指導し、これを成功させた。無料でのダウンロードが可能で、iPhone及びOSにアンドロイド(Android)を使う携帯電話で使用できる。
「iRain」は同校土木環境学科のPhuNguyen兼任助教授(Assistant Professor)が研究開発に着手したもので、徐国麟教授と同校気象水文リモートセンシングセンター(Center for Hydrometeorology and Remote Sensing)のSoroosh Sorooshian主任が指導し、協力した。「iRain」アプリの画面は動画形式の衛星画像で、色によって世界各地の雨量を示す。また、各地の雨量記録を選び、特定の時間帯の降雨量をモニターすることも可能。
徐国麟教授は、国立台湾大学(台湾北部・台北市)を卒業後、米国のアリゾナ大学(The University of Arizona)で博士課程を学んだ。徐教授は、「iRain」はリアルタイムのアップデートこそ出来ないものの、データの取得と処理に役立ち、降雨に関する情報の公開を1時間早められると説明。また、どれだけの雨が降るか、雨雲がどう移動するかをたどることが出来るアプリは特に災害救助部門に有用だとしている。
「iRain」は降雨量の予測の他、ユネスコ(国連教育科学文化機関)のサポートが得られたことで、全世界に最新の情報を提供することが可能。降雨量の予測が困難なアフリカの国々などが、ネットワークを通じて関連データを取得出来るようにサポートするという。